2014 Fiscal Year Research-status Report
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24540082
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 堯生 京都大学, 数理解析研究所, 特任教授 (50025467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 聖一 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60254380)
作間 誠 広島大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30178602)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 2次元結び目 / 2次元ブレイド / チャート図の変形 / マルコフ型定理 / 4次元トポロジー / 不変量 / ファンカンペン図 / 数学史 |
Outline of Annual Research Achievements |
2次元滑らか結び目解け予想は1助変数族の方法で初等的に解けるのではないかと考えて始めたのが1999年の論文であり、4次元空間内の向き付け可能な曲面を2次元ブレイド、さらにチャートという平面内グラフによって表現する方法が研究分担者鎌田聖一氏によって開発されていた。知られている反例は向き付け不可能な曲面に対するものしかないので2次元ブレイドを使用する限りこの反例を考慮する必要がない。 与えられた結び目と自明な結び目との間に交点を許した2次元結び目の1助変数族を構成することは簡単にでき、補空間の基本群が可換であることから交点の生成・消滅がカスプによってのみ起こるようにできる。この1助変数族を2次元ブレイドの1助変数族に変換することはマルコフ型定理であって、研究分担者鎌田聖一氏が2002年にアメリカ数学会から出版した本の手法を交点がある場合に拡張すればよく、論文を準備中である。交点は動かないとしてマルコフ型定理を適用するので、最後のカスプに対応するチャートでの変形つまりノードと端点の融合は別途強制的に行う。このことによって交点が2個以上ある場合に2重点の逆像が2次元球面と区間の直積の中で絡まることは自然に避けられる。交点数を1にまで減らす部分までを定理とした報告を数理解析研究所講究録に発表しており、最終段階で扱うべき対象は交点数1の単純ブレイドの1助変数族に限られる。 数理解析研究所講究録に書いた内容を詳細な論文にすれば研究目的の最低限の目標は達成されると考えているが、26年度は予想の証明の道筋を立てるのに全力を挙げて来た。その結果ファンカンペン図を限定した形に変形し、それに対応したチャート図を変形していく方法が最も可能性があることが分ったが、帰納法が適用されるよう工夫する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
最終結果を出す方に力が入り、マルコフ型定理を担当している研究分担者が多忙であることもあり、論文が書ける段階にある研究の前半部分についても執筆が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2次元滑らか結び目解け予想を、マルコフ型定理の証明を含め交点数1の1助変数族で自明な結び目につながる場合に帰着する前半部分の論文執筆を行うとともに、後半部分では帰着された場合の予想を考えている結び目は種数0であることを充分意識しながら語の変形問題として特別な樹木型ファンカンペン図を活用して解決する。さらに、帰納法を用いないより確実な方法として直接ブレイド系を比較する方法も検討する。 また、その発展のひとつとして数学史を含む数学研究全般にかかわる研究を並行して進める。
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Causes of Carryover |
研究実施がやや遅れているためである。従って、国内外の研究者との交流や研究発表をする計画も遅れている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これまでの証明方法にこだわらず研究推進を第1とし、国内外との交流も含め研究成果の発表に重点を置き、本来の使用計画を遅れ気味ながら実施する。
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