2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
角 俊雄 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (50258513)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | スミス集合 / 接表現 / 有限群作用 |
Research Abstract |
有限群の滑らかな作用がもたらす固定点上の接表現に関して研究をしている.有限個の固定点をもつ多様体上の群作用において,固定点上の接空間となる実表現は,局所的に,2固定点の作用をもつ球面を利用して,固定点の個数を変えることなく変形できる.2固定点の作用をもつ球面上の接表現に関してはスミス問題として知られていて,2シロー群が正規部分群であるかどうかで様子が異なる.このことはディスク上の作用の研究がそのまま球面上の作用に拡張できないことを示唆している. ディスク上の作用との比較は重要と考え、オリバーが定義したディスク上の固定点集合を区別できる有限群のクラスのうち,クラス M_R に対応するクラスを定義し,そのクラスに属する有限群がギャップ群である場合,スミス集合が(実表現環の部分)群になることを示した.さらに,この条件がどの程度必要条件に近いのか調べるため,コンピュータ Apple MacPro (2.66GHz, 12コア)を導入し,ソフトウェア GAP (Groups, Algorithms, Programming - a System for Computational Discrete Algebra), Mathematica を主に用い,2-群での固定点集合の次元に関して,さまざまな群に対し実験を行ってデータを取得している. ポーランドのグダンスクでおこなわれてシンポジューム「Geometry of manifolds and group actions」や,九州大学伊都キャンパスにて行われた日本数学会秋季総合分科会トポロジー分科会の特別講演にて結果を紹介した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
森本によって得られた結果を応用し、オリバーが定義したディスク上の固定点集合を区別できる有限群のクラスのうち,クラス M_R に対応するクラスを定義し,そのクラスに属する有限群がギャップ群である場合,スミス集合が(実表現環の部分)群になることを示した.GAP (Groups, Algorithms, Programming - a System for Computational Discrete Algebra) などのソフトウェアにて、スミス同値となるための必要条件をもとめられるプログラムを作成し、それを用いて、ライブラリにある有限群に関して、いくつかの実験を行った。それらの情報から、いくつかの結果を得ることもできており、当初の計画通り進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2つの表現を球面上の2固定点作用における、固定点上の接表現として実現するためのテクニックとしては、それぞれの表現が弱ギャップ条件を満たすものしか知られていない。弱ギャップ条件にはいくつかのバラエティがあるが、近年弱められてきて、これ以上は、現状の手術理論では無理なところまで到達していると思われる。そのため、どんな実表現を2つそれぞれに加えても、どちらかは弱ギャップ条件を満たさないものが存在するのかが、特に実表現環の部分集合とスミス集合をみたときに、重要な役割を果たす。 現在のところ、そのようなものは見つかっていない。そのようなものは存在しないと予想しているが、さらに深く考察する。 さらに、2固定点作用に限らず、n固定点作用に関しても考察を行う。こちらは、ディスク上の(n-1)固定点作用が、n<>2 の場合では大きく寄与すると考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ポーランドへの海外出張(40万)、日本数学会の分科会2回(計20万)を含む旅費に大半を使う予定である。ミニ研究集会を開くことになった場合は、一部、会場費、招聘費にあてることも考えていて、予定の90万のうち、一割程度は、旅費以外の図書の購入などへの支出も考慮する。
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