2013 Fiscal Year Research-status Report
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24540083
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
角 俊雄 九州大学, 基幹教育院, 准教授 (50258513)
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Keywords | スミス集合 / 接表現 / 有限群作用 |
Research Abstract |
有限群の滑らかな作用がもたらす固定点上の接表現に関して研究をしている. 有限個の固定点をもつ多様体上の群作用において,固定点上の接空間となる実表現は,局所的に,2固定点の作用をもつ球面を利用して,固定点の個数を変えることなく変形できる.2固定点の作用をもつ球面上の接表現に関してはスミス問題として知られていて,2シロー群が正規部分群であるかどうかで様子が異なる.このことはディスク上の作用の研究がそのまま球面上の作用に拡張できないことを示唆している.とはいえ,ディスク上の有限群作用は,多くの情報を与えてくれるはずなので,そのことも踏まえて研究を進めている.さらに,固定点を3つ以上もつ球面を利用すると、固定点の個数を変えることも可能であるため,特に球面上の作用の考察が重要となる. 昨年度に引き続き,一昨年度に得た十分条件を若干修正を加えつつ,コンピュータ Apple MacPro (2.66GHz, 12コア)上にて,ソフトウェア GAP (Groups, Algorithms, Programming - a System for Computational Discrete Algebra), Mathematica を主に用いて,2-群での固定点集合の次元に関する情報を取得して,新たな条件を模索している. 京都大学数理解析研究所で行われたRIMS研究集会「変換群のトポロジーとその周辺」(5月27日~5月30日)や,ポーランドのスウビツェでおこなわれたシンポジューム「Knots, Manifolds, and Group Actions, September」(9月11日~9月14日)において一部結果を紹介した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
手術理論に必要となるギャップ条件に関して,ほぼ完全な分類が出来そうなところまできている.このことから,Laitinen予想の反例は非常に少ないことが予想される. 一昨年、オリバーが定義したディスク上の固定点集合を区別できる有限群のクラスのうち,クラス M_Rに対応するクラスを定義し,そのクラスに属する有限群がギャップ群である場合,スミス集合が(実表現環の部分)群になることを示したが,昨年,森本氏はスミス同値となる構成に関して結果を得ている.その結果の吟味を行う必要が生じたが,これまでの実験データを利用することが出来そうなので,計画に大幅な変更は必要ない.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年,森本氏が得た結果の吟味を進め、その条件に当てはまらない有限群の特徴づけを行う。それらの有限群に関して,スミス集合がどうなるのか研究を進める.現在、オリバー群に関しての研究が進んでいるが,そのなかでも,位数2べきの群による固定点集合が連結でない場合の考察はほとんどなされていない状況である.そのため,現状知られている手術理論が上記に適用できるように改良できるかの考察をおこなう.一方,そのような有限群は,既約表現の固定点集合の次元から見て,非常に特殊な場合と考えられる.一例は持っているが,どの程度存在するのかは未解決なので,その点も考察する予定である. 最終年度のため,これまで得られた実験結果を有効に活用し,進行の遅れを取り戻し,上記を含む,いくつかの課題を解決する. 予算は,海外出張(40万),日本数学会の分科会2回(計20万)を含む旅費に大半を使う予定である.海外への出張が出来なかった際には,ミニ研究集会を開くことの費用として,会場費,招聘費にあてる予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
関東(東京)での研究集会に出席する予定であったが、日程が合わず、関西の研究集会への出席に変更したため. 残額 26117円は,次年度の旅費として使用予定である.
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