2012 Fiscal Year Research-status Report
共形平坦ローレンツ多様体のトポロジーと種々の幾何構造
Project/Area Number |
24540087
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
神島 芳宣 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (10125304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 敬三 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (00208480)
相馬 輝彦 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (50154688)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Lorentz structure / Seifert fibration / Bott tower / lcK structure / Complex contact / Infrasolv manifold / Holomorphic / Homogeneous |
Research Abstract |
我々は次の項目にしたがって今年度研究した。 1.共形平坦ローレンツ幾何のモデルと推移的変換群を構成し、その幾何的性質を調べた。2. 2n+2次元コンパクトFefferman-ローレンツ多様体に対しCR構造を保つ非コンパクト可換リー群の作用があるとき標準ローレンツモデル 円周 x 2n+1次元球面に共形同値になるという結果を得た。これはObata-Ferrand-Lichnerowicz予想の特別な場合の肯定的解決である。これまで擬リーマン多様体上のトポロジーについてはあまり知られていないのが現状で、むしろリーマン多様体の結果とは著しく異なる例がある。これに関する結果ではコンパクトFefferman-Lorentz parabolic多様体について、ワンーパラメタ―変換群を許容する際の分類を行った。応用としてして共形平坦等質Fefferman-Lorentz多様体を分類した。3.ローレンツ多様体の中でSimilarity多様体があるが、コンパクト測地的完備ならば基本群はvirtually solvableになり、それはinfrasolv多様体になることを示した。これはAristideの別証明を与えたことになる。4.コンパクトEuclid 空間形に対してトーラス作用の次元とBetti数の評価を与えた。コンパクトリーマン平坦多様体上がトーラス作用を許すとき、Seifert fiber spaceになることを示し、Calabiの定理の別証明を与えた。結果として「トーラスの次元=第1Betti数=基本群の中心の階数」 の等式を得た。5.正則ボット多様体の特徴づけとnil多様体としての様々な例を構成した。 6.複素contact多様体でinfra-nil多様体になっているものを群作用の存在のもとで決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記の1,2,3が今年度の成果である。ほぼ満足のいく結果が得られた。 このローレンツ多様体を調べる我々の手段はS1-作用のような変換群が作用しているときにそれがSeifert fibration を持つということ示し、ローレンツ多様体の分類をより次元が低い底空間に帰着させるものである。この手法はローレンツに限らず、Bott tower (トーラス(もっと一般にnil多様体)によるfibrationsのタワー )に対して効果があり、Seifert fiber spaceの構造を持つことが示される。 我々はさらに4のコンパクトEuclid 空間形はBott多様体になることを示し、したがってトーラス作用を持つSeifert fibration になるが、このことから、第1 Betti数の評価をk次元トーラスの階数と一致することを見た。これは1,2,3の研究過程での副産物として得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の5,6は次年度からの課題である。我々は次のような方針で考えていく。 5の正則ボットタワーとは正則トーラスによる正則fibrationsのタワーであり、そのトップ次元の複素多様体を正則ボット多様体という。我々は現在この複素多様体の基本群が virtually nilpotent群であることを示した。与えられたvirtually nilpotent群を基本群にもつようなinfranil多様体は存在するのでその普遍被覆空間が左不変な複素構造を持つnilpotent Lie 群となることを示すならばその商空間はholomorphic infranil 多様体である。あとは正則Seifert fibrationを考え、正則的剛性を構成し正則ボット多様体はholomorphic infranil多様体と正則同型であることを示したい。6のコンパクト複素contact多様体でinfra-nil多様体になっているものの例は岩澤リー群を一般化したcomplex nilpotent Lie群を考え、複素コンタクト変換群の固有不連続群をとりその商空間を取ることによって得られる。我々はこれがすでに知られている複素contact多様体の構成からは出てこないこと、つまり新しい例であることことを示したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
*24年度残金が発生したことについては、この年度予定していた1月、2月の研究集会が延期され、また外国旅費が予想より安く抑えられことによる. 次年度ではすでに消耗品として繰り込まれている. 1.Sorin Dragomir, Elizabetta Barletta教授(Italy Univ of Basilicata)との共同研究:コンパクトFefferman-ローレンツ多様体がある種の非コンパクトアーベル群を持つとき標準ローレンツ多様体に共形同値になることの検証のため後期出張する. 2. River Chiang 教授(Taiwan国立成功大学)と共同研究:正則nilBott 多様体(holomorphic torusによるprincipal holomorphic fibrationsのtowerのtop space)はholomorphic infranil多様体と正則同型になることの検証のため12月出張する。3. Dmitri Alekseevsky教授 (Masarik University), Vicente Cortes教授 (Univ. of Hamburg) と長谷川敬三教授(新潟大学)とともに非コンパクト局所等質ケーラー多様体の構造決定のため、研究討論・出張を行う。Karlsruhe大学 Oliver Baues 教授と2004年来ずっと研究している可解幾何ファイバーをもつファイバー空間のinfra-solv towerについて構成と剛性を調べる。さらにnon-virtually torsionfree 離散群の可縮な空間への作用の場合に一般化し、これまでtorsinfree 群で得られている結果が成り立つかを研究討論するため、現在東京でセミナーをするため、短期共同研究者招聘を申請している。
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