2013 Fiscal Year Research-status Report
共形平坦ローレンツ多様体のトポロジーと種々の幾何構造
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24540087
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
神島 芳宣 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (10125304)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 敬三 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 教授 (00208480)
相馬 輝彦 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (50154688)
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Keywords | Bott tower / infranil manifold / complex contact / lcK structure |
Research Abstract |
1.長谷川教授とコンパクト局所共形ケーラー多様体 G/HはVaisman多様体になることを示した(計量がparallel)。その後D. Alekseevsky, V. Cortes, 長谷川敬三 教授たちとともに非コンパクト局所共形ケーラー多様体の研究を行った。その結果正規化群N(H)がコンパクトならば, Vaisman多様体になることを示した。この条件が無いとき, R x SL(2,R)は反例となり, non-Vaisman局所共形ケーラー多様体になることがわかった。 2. S1- fibered Bott towerの一般化として複素トーラスT のiterationによって得られる正則fiber orbi-bundleを正則ボットタワーとよび, 特徴づけを行った。Bott toweのtop space Mを正則Bott多様体という。定義よりMの基本群はvirtually nilpotent群Γである。このときΓを基本群に持つholomorphic infranil manifold N/Γを構成することによって, MはN/Γと正則同型となることを示した。 3.2で構成した正則Bott多様体にどのような幾何構造が入るかを次に研究した。幾何構造として複素contact構造を考え, 複素contact similarity多様体を変換群の観点から考えた。Iwasawa nilpotent Lie群Nをとりその上に複素contact構造を構成し, その構造を保つ複素affine flat変換群を考え, 離散群ΓがNに固有不連続に作用する時コンパクト複素contact多様体N/Γを得た。これは四元数ユークリッド平坦軌道体を底空間にもちTをfiberとする正則Seifert fiber束である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の1,2,3が今年度の成果である。どれもさらにレベルアップして継続研究していくテーマである。年度の区切りとしては、かなりの達成度を感じている。複素多様体とnil多様体をこのようなtowerでとらえるのは初めてで, nilpotent群の一意性が十分使われている。今後solv多様体をfiberにもつBott towerが考えられる。コンパクト複素contact多様体は同時に複素affine flat多様体にもなっているため、Auslander-Milnor予想の複素バージョンに役に立つ可能性がある。 Lck多様体はこれまでの変換群の手法からリー環の手法に切り替え、上記の結果を得た。当然変換群で捉えても、同様の結果は出せるものと期待している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の課題はこれまでの研究成果をもって最終結果を導くことと今後への研究の道筋を立てていくことである。LcK多様体は現時点でコンパクト等質であるが、さらに共同研究者V. Cortes, D. Alekseevskyと一緒に局所等質コンパクトlcK多様体に挑む。どのような条件のもとでVaisman多様体になるかということが研究目的である。 正則Bott towerのtorus fiberに対する一般化はsolvmanifoldを典型ファイバーとする Iterationとしてのinfrasolv Bott towerである。この場合のBott多様体(top space)Mはvirtually solvable群を基本群に持つ。与えられたvirtually solvable群Γを基本群にもつinfrasolvmanifold R/Γは存在するので、 我々は「MはR/Γに微分同相となるか」を予想する。このことはinfrasolvmanifolds の間には可微分剛性が成り立っているから(O. Baues)、solvmanifoldをfiberにもつBott manifolds M1とM2がホモトピックならば微分同相である。つまりこの種のBott manifoldに対する可微分Borel予想の肯定的解決を与える。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度の研究集会が今年度に延期になったため、旅費を残した。 6月にベルギー出張・12月にドイツ出張を予定している。
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Research Products
(6 results)