2013 Fiscal Year Research-status Report
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24540104
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
濱田 龍義 福岡大学, 理学部, 助教 (90299537)
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Keywords | 幾何学 / 計算機代数 / オープンソースソフトウェア / MathLibre |
Research Abstract |
以下の研究会を主催し,計算代数の最近の成果についての情報収集と微分幾何学への応用について議論を行った. 1. 2013年8月21日--8月23日, IMI 研究集会「数式処理研究と産学連携の新たな発展」, 九州大学伊都キャンパス 2. 2013年9月23日, 数学ソフトウェアとフリードキュメント/17, 愛媛大学 3. 2014年3月14日, 数学ソフトウェアとフリードキュメント/18, 学習院大学 IMI研究集会は,照井 章 (筑波大学),小原 功任 (金沢大学),横山 俊一 (九州大学),穴井 宏和 (富士通研究所/九州大学),横田 博史 (東芝インフォメーションシステムズ),濱田から構成される組織委員会によって開催された.この研究集会の成果はMIレクチャーノートシリーズより刊行された.2013年8月に佐賀大学で開催された研究集会「部分多様体の微分幾何学及び関連課題」についてもWorld Scientific社よりProceedingsが刊行され,新たに得られた複素射影空間内の実超曲面に関する結果が収録されている.「数学ソフトウェアとフリードキュメント」については,様々な分野の研究者が集い交流を行う貴重な機会となっている.2014年3月には,幾何学,計算機代数,計算機科学等の複数の専門家の協力を得て,数学に関連するオープンソースソフトウェアを収集したコンピュータ環境 MathLibre 2014 を開発,公開した.配布を通して,新たな専門家と研究交流を行うことによって,今後の研究の進展が期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MathLibreシステムについては,韓国に続き,台湾,ハンガリー等でも紹介し,研究交流を行う上で重要な位置を占めている.また,毎年,インドのMTTSにおいて独自に配布されており,今後の発展が期待される.計算機代数システムを包含した動的幾何学ソフトウェアの微分幾何学への活用については,ある程度コンテンツが揃いつつある.また,統計,トポロジー等,他の分野との連携が着実に進んでいる.一方で,実装がまだ実験段階という事もあり,安定性に欠けることが難点である.今のところ,複素双曲空間内のリー実超曲面に関しては,あまり進展していない.本来であれば,リー実超曲面の幾何学的不変量について,ある程度の結果が得られて然るべきであるが,来年度以降の課題とする.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の予算から国際数学者会議ICM2014における研究成果公開スペース借料および参加費を支出した.今回で3回目の出展となるが,毎回,様々な分野の研究者と交流を行なっており,研究を進める上で重要な位置を占める.また,審査の結果,口頭発表とポスターセッションが採択されたMathLibreの開発については,自動化が進んでおり,今後は細かいインターフェースの調整が必要と思われ,引き続き進めていく予定である.複素双曲空間内の実超曲面については引き続き集中的に研究を進める予定である.また,最近,JST CREST日比チームにより,統計分野への微分作用素環,および計算代数の応用が得られたが,この成果は幾何学的にも興味深いものであり,大変注目している.今後の新たな方向性の一つとして重要視している.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外送金における為替レートの変動を考慮したため. 次年度における旅費として利用予定.
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