2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540104
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
濱田 龍義 福岡大学, 理学部, 助教 (90299537)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 幾何学 / 計算機代数 / オープンソースソフトウェア / MathLibre |
Outline of Annual Research Achievements |
複素空間型内の実超曲面の部分多様体としての構造と,自然に導入される概接触構造に注目し,Ricci starテンソルと呼ばれる幾何学的不変量についての考察を行った.その結果,Ricci star テンソルが平坦になる場合について,完全に分類することができた.このような実超曲面が複素射影空間内には存在しないことを示し,また,複素双曲空間内では,ある半径を持つ測地球に限ることを示した.また,佐賀大学の山下勝文氏と共同で複素空間型内のA型と呼ばれる実超曲面について研究を進め,新たな特徴付けを行った.以下の研究会を主催し,計算代数の最近の成果についての情報収集と微分幾何学への応用について議論を行った. 1. 2014年9月24日, 数学ソフトウェアとフリードキュメント/19, 広島大学 2. 2015年3月20日, 数学ソフトウェアとフリードキュメント/20, 明治大学 「数学ソフトウェアとフリードキュメント」については,様々な分野の研究者が集い交流を行う貴重な機会となっている.2015年3月には,幾何学,トポロジー,計算機代数,計算機科学等の複数の専門家の協力を得て,数学に関連するオープンソースソフトウェアを収集したコンピュータ環境MathLibre 2015を開発,公開を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複素空間型内のRicci starテンソルに注目した研究は,最近,ギリシャのGeorge Kaimakamis, Konstantina Panagiotidouらによって,研究の進展が見られた.彼らが主にターゲットとしているのは複素空間型が複素2次元でRicci starテンソルが平行な場合であるが,我々の結果は,より一般化された複素n次元の場合にRicci starテンソルが平坦な場合について研究を行った. MathLibreについては,これまでの研究の蓄積を通して構築システムがある程度のレベルまで安定させることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
一般の複素n次元の複素空間型内の実超曲面でRicci starテンソルが平行なものについては,研究途上である.今年度中には,ある程度の見通しをたてたいと考えている.これに関連して,2015年10月に韓国の大田で開催される国際会議に参加する予定である.韓国のYoung Jin Suhを始めとする専門家との交流によって,今後の研究の進展を目指している. MathLibreに関連して,計算機代数システムを含む動的数学ソフトウェアについての研究も進める予定である.これについては,オーストリア,リンツで開催される国際会議において微分幾何学との関係から発表を行う予定である.
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Causes of Carryover |
研究成果のDVDと印刷物の作成が3月に行われたため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度に作製したDVD,および印刷物の費用を支出する予定.
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