2014 Fiscal Year Research-status Report
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24540107
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
宇野 力 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (20282155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 祥司 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (30534044)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 逐次解析 / 区間推定 / 漸近有効性 |
Outline of Annual Research Achievements |
未知な位置母数と尺度母数をもつ負の指数分布に関する二標本問題を研究した。第一母集団の位置母数μと第二母集団の位置母数νの線形結合δ=aμ+bνの逐次推定を考える。ここで,aとbはともに0でない実数定数である。例えば,a=1,b=-1ならば,δは位置母数の差を表し,a=b=1/2ならば,δは位置母数間の中点となる。この母数δに対して,順序統計量にもとづく推定量を中心とした固定幅2d (d>0)をもつ逐次区間推定を研究した。この研究では,二つの尺度母数はともに未知であり,等しくない場合も含めた設定としている。このような設定のもとでは,被覆確率が1-α (0<α<1)以上となるような最適な固定標本の大きさは未知となり,固定された大きさの標本による手法が構成できないため,逐次的に推定する。逐次推定に用いる停止規則についてはいくつかのタイプがある。Stein型の二段階法は簡便で優れた手法であるが,2次の漸近有効性を満たすためには未知な尺度母数に対する既知な下限が存在することが求められ,この点に制約がある。それで,本研究ではHall型の三段階法を用いて尺度母数に関する制約なしで高次の漸近的性質を示すことを目的とした。構成した信頼区間の被覆確率が1-α以上となる最適な標本の大きさは,二つの尺度母数が絡み合って明示的には表しにくい。そこで本研究では,aとbが同符号と異符号の場合に分けて,信頼区間の被覆確率が1-α以上となる明示的な標本の大きさを求め,停止規則を構成することができた。本研究は他大学の研究者と共同で進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究計画では,26年度までに三段階法の漸近的性質について導出するところまで研究を進めたい計画であったが,この点について未解決のままとなっている。ただ,これは決定的な遅れではなく,27年度に十分補うことができるという判断から,「やや遅れている」という自己評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
研究が当初計画どおりに進まない時の対応として,本研究課題の研究計画調書には,この分野の他の専門家に助言をもらうことを記載していた。三段階法の漸近的性質について,他大学へ出向いて専門家との研究打ち合わせを進めることにより研究の遅れを回復するよう推進していく。
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Causes of Carryover |
当初は,26年度中に研究成果発表のための出張を組む計画であったが,成果発表できる段階にまで研究が進まなかったため,この分の旅費が残額となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度分の助成金は当初計画のとおり使用予定であるが,26年度からの繰り越し金額分については,講演発表用に持ち運べるノート型PCの購入にあてる。
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