2012 Fiscal Year Research-status Report
特異性の解を持つ偏微分方程式に関する数値解法の研究の新展開
Project/Area Number |
24540108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
方 青 山形大学, 理学部, 教授 (10243544)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 数値解析 / 数値計算 / 微分方程式 / 有限差分法 / 境界値問題 / 誤差評価 / 高精度数値解法 / 応用数学 |
Research Abstract |
(1) 特異性の解を持つ楕円型境界値問題の数値解の安定性に関する研究 研究代表者は、台湾中山大学の Zi-Cai Li 教授らとの共同研究で、偏微分方程式を数値的に解くときに得られた大規模線形システムの安定性問題を考えた。条件数は線形システムの摂動問題の相対誤差を測る量として注目されている。通常の条件数の定義では、多くの偏微分方程式の離散化からの線形システムは条件数がかなり大きくて、不安定のように見える。しかし、今まで研究代表者と他の研究者たちとの共同研究で開発した特異性の解を持つ偏微分方程式の数値解法で分かるように、通常の条件数が大きくても、近似解はよく収束している。そこで、偏微分方程式の離散化に合わせる条件数の再定義を考える必要が出てくる。研究成果はNumerical Function Analysis and Optimization 誌に発表した。 (2) 非線形2点境界値問題の高精度の数値解法に関する研究 研究代表者は、Dr.Xiao-Yu Zhang(現在北京林業大学理学院所属)との共同研究で、非線形2点境界値問題の高精度の数値解法を考察した。3次精度のコンパクト差分スキームを利用して、得られた近似値を使ってスプライン補間で空間上の関数を構成する。その関数におけるもとの非線形微分方程式の線形化問題の解はもとの非線形問題の解に6次の精度で近似することを示した。線形化問題の6次精度の近似解を求めることによって、6次精度のスキームを構成することができた。3次精度のコンパクト差分スキームは13桁の有効精度しか得られないに対して、提案した6次精度は15桁の有効精度まで計算できる。これら研究成果は論文としてまとめられ、Numerical Algebra, Control and Optimization誌に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究協力者Zi-Cai Li 教授、Dr. Xiao-Yu Zhangらの研究協力を得て、特異性の解を持つ偏微分方程式の有限差分スキームの安定性問題の数値解析と2点境界値問題の高精度の数値解法の開発に研究成果を上げることができた。さらに、放物型方程式に対しても一部成果を得ており、現在投稿中である。したがって、初年度の研究計画が達成したといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
特異性の解を持つ放物型方程式の初期境界値問題に対して研究をさらに進めるために、高精度の数値解法を開発するとともにその数値解の誤差評価をもっと精密的に行う予定である。また、コンピュータで計算される近似解の精度を保つために、特異性を配慮する特別な反復法を開発して、数値解析を行うことを目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(5 results)