2014 Fiscal Year Annual Research Report
微分方程式に対する精度保証付き計算の総合ライブラリの構築
Project/Area Number |
24540115
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
山本 野人 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 教授 (30210545)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 精度保証 / 偏微分方程式 / 力学系 / 多倍長 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)偏微分方程式の精度保証付き数値計算に関しては、佐世保高専校長・中尾教授、九州大学・渡部准教授等と連絡を取り合って研究を進めた。その結果、2階の楕円型作用素の逆作用素の存在を照明するための精度保証法および逆作用素のノルム評価に関して3つの異なる手法を開発し、これらの有効性を数値例を通じて確認した。これについては論文を執筆して投稿し、年度内に出版することが出来た。 (2)力学系の精度保証法の研究については、統計数理研究所・松江要氏、一橋大学・小林健太氏および東京女子大学・荻田武史氏をはじめとする早稲田大学・大石進一氏のグループとの連携研究を進めた。松江氏、小林氏とは週一回の会合を持ち、連続力学系のうち非双曲型不動点をもつものに対する精度保証法の開発の準備を行った。具体的にはn体問題の周辺を調べ、精度保証の適用可能性を検証した。 具体的な成果としては、連続力学系のほか離散力学系に対してもLyapunov関数を精度保証法によって構築する方法を開発した。これによって連続力学系の周期解の近傍における安定・不安定多様体を補足することが可能となり、この方面での研究発展の基礎を築くことができたと自負している。なお、これは松江氏との共同研究である。 (3)多倍長ライブラリに関しては、大学院生とともに研究を進めた。特に、バグの洗い出しおよびライブラリの整備に努め、これまでの成果をまとめた論文の執筆に入っている。 以上に関しては、国内外の学会・研究集会で発表するとともに、山本が主催者となって精度保証の研究者を集めて発表・討論を行う研究集会を催した(第1回山梨精度保証研究会)。
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Research Products
(6 results)