2012 Fiscal Year Research-status Report
逆凸制約を持つ大域的最適化問題に対する区分的分離超平面を用いた反復解法の開発
Project/Area Number |
24540118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山田 修司 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (80331544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 環 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10207110)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大域的最適化 / 逆凸計画 / 区分的分離超平面 / 逐次近似解法 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
本研究は,逆凸制約を持つ高次な(変数の数が大きい)線形関数最小化問題に対して,精度の高い近似解を求める大域的最適化アルゴリズムの開発を目的としている。従来,逆凸制約を持つ数理計画問題に対しては凸多面体近似法や分枝限定法に基づく逐次近似アルゴリズムが提案されている。しかしながら,これらの手法は,反復回数に依存してアルゴリズムの実行に必要なデータ量が増加するという問題点を抱えているため,変数の数が大きい場合に有効でないことが知られている。このため,本研究は, 区分的分離超平面を利用して, 変数の数が50以上の問題に対しても大域的最小値と許容誤差内の目的関数値を持つ実行可能解を求める反復解法の開発を目指している。 本研究では,これまでに逆凸制約関数が正定値対称行列による2次形式で表された対象問題に対し,問題が100次元以上でも有効な近似解を求めることができるアルゴリズムの開発に成功した。新たなアルゴリズムを開発するために,本研究では対象問題の逆凸集合の境界上での凸制約関数最小化問題を考え,その問題のカルーシュ・キューン・タッカー条件(KKT条件)を満たす実行可能解を列挙する手法を考案した。この手法により、対象問題の制約集合に対するすべての極大連結部分集合上で実行可能解を求めることが可能となった。さらに求められたすべての実行可能解から従来の非線形最適化手法を用いて局所最適化を行うことで,対象問題に対する精度の高い近似解を求めることが実現された。 今後はこれまでの研究成果を基に,より一般的な対象問題に対するアルゴリズムの構築を目指す。また,当初の計画通りに有効解集合上での凸関数最小化問題,分数計画問題やDEAにおけるクロス集計効率値計算法への応用を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、本研究の目的は50次元以上の逆凸制約を持つ線形関数最小化問題に対する精度の高い近似解を求める近似解法を構築することであった。これに対し,本研究ではこれまでに100次元以上でも有効な反復解法の開発に成功しており,十分な研究成果を挙げていると考えられる。しかしながら,開発したアルゴリズムを実行するためには対象問題の制約関数が2次形式で表されていることが必要条件となっている。したがって,今後はこの必要条件を緩和し,より一般的な問題に対応できるアルゴリズムの構築を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに開発したアルゴリズムをより一般的な逆凸制約問題を持つ大域的最適化問題に適応させるために,逐次2次計画法の導入を試みる。この研究に関しては,定期的に大阪大学の谷野哲三教授と新潟大学の田中環教授と打合せを行い,研究の進捗状況を確認し,研究方針を検討する。また,これまでの研究成果をDEAにおけるクロス集計効率値計算法へ応用するために,駒沢大学の鷲尾哲助教と共同研究を行う。さらに,改良したアルゴリズムの有効性を検証するために計算機実験を行い,その結果を海外の研究者と検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
これまでの研究成果を多基準意思決定に関する第22回国際会議(スペイン,マラガ)やオペレーショナル・リサーチに関する第26回ヨーロッパ会議(イタリア,ローマ)で発表するために旅費として使用する。また,計算機実験を行うには学生の協力が必要なため,謝金を使用する。さらに,応用的研究のために資料収集として,関係図書を購入する。
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