2014 Fiscal Year Annual Research Report
非周期環境における界面ダイナミクスの数理的研究とその応用
Project/Area Number |
24540119
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 健一 金沢大学, 数物科学系, 准教授 (40293120)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢崎 成俊 明治大学, 理工学部, 准教授 (00323874)
石渡 哲哉 芝浦工業大学, システム工学部, 准教授 (50334917)
中村 俊子(荻原俊子) 城西大学, 理学部, 准教授 (70316678)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 界面ダイナミクス / 進行波 / 移動境界問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究に引き続き,空間的に非一様な環境が界面ダイナミクスに与える影響を解明するために,研究分担者,連携研究者,研究協力者とともに数理解析・数値解析の両面から研究を行い,以下の成果を得た. (1)一般化されたギンツブルグ・ランダウ自由エネルギーの勾配流として得られる6階のCahn-Hilliard型方程式に対し,質量保存性およびエネルギー散逸性という元の方程式が持つ性質を保存する数値スキームを離散変分導関数法に基づいて構築し,その安定性を示した. (2)BZ反応に現れるスパイラル運動,転移現象に現れる転位曲線の運動,時間に依存した隙間をもつHele-Shaw流れの境界要素法による数値計算や,Hele-Shaw流れの内部問題,外部問題,あるいは吸い込み口や湧き出し口のある場合の問題について,代用電荷法を用いた数値解法について研究し,その有用性に関する結果を得た. (3)駆動力付クリスタライン曲率流によるスパイラル解の大域存在に関する結果を得た.これは従来の線形モデルに対する研究を非線形の場合に拡張したものである.また,曲率流方程式に関連するある準線形放物型方程式の爆発解の性質を調べ,時間発展の途中である積分量に単調性が現れることを示した. (4)比較定理が成り立つ時間遅れの入った方程式や保存量をもつ退化放物型方程式など,比較定理と保存則がともに成り立つ非線形放物型方程式に対し,安定な平衡解(あるいは時間周期解)の存在と一意性,および一般の初期値から出発した解の漸近挙動に関する結果を得た.
|