2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540120
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
鈴木 信行 静岡大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (60216421)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 非古典論理 / 代数的意味論 / 述語論理 / クリプキ意味論 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の完成に向けて、発展段階の研究を行った。 平成26年度は、これまでの本研究の成果を応用して、束論的な完備化を用いないadjointによる代数的意味論の基礎的構成に取り掛かることが目的であった。この目的は、以下に述べるように、ある程度までの成功にこぎつけたと言ってよいと思われる。ただし、Frege-Russell の命題関数を数学的に実現する、という(副次的な、しかし重要な) 目的については、部分的な段階にとどまった。 昨年度までの進展を基盤として、意味論的枠組みとして用意した圏論的道具立てを準備した。最重要な部分であるsoundness-completenessの証明を与えるために、本年度の研究での構成で用いたものは、最も原始的なclassification による構成である。この構成は、代数的意味論の文脈では、Lindenbaum の手法と呼ばれるものと同じ考え方によるものである。ここまでは成功しているが、残念ながら、基盤部分の不備のため、当初の目的に関しては完全な成功に至ったとは言い難い。しかし、この範囲でなら一定の成果が得られた。これにより、有効な実例と組み合わせることができ、知見が広まった。特に、研究計画で取り上げた小野の問題P52の解決に成功した点を考えると、初期の目標の1つを達成したと言ってよい。この成果は、この「小野の問題P52の解決」とそれに関する成果は、Logic Colloquium 2014(ウィーン オーストリア 会場:ウィーン工科大学)など、国内外の国際会議や学会・研究集会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Frege-Russell の命題関数を数学的に実現する、という(副次的な) 目的については部分的な段階にとどまった。しかし、研究計画で取り上げた小野の問題P52の解決に成功した点を考えると、初期の目標の1つを達成したと言ってよい。
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Strategy for Future Research Activity |
完備化を用いないadjointによる代数的意味論の本格的構築に取り掛かれる基盤ができていると考えられる。 これに続いてその応用として、既存の命題論理に対する代数的意味論における手法を、完備化が有効でない述語論理のケースにも適用することを試みる。命題論理では古典的であってしかも強力な手法を述語論理で実行することを考えている。 積極的に成果の発表を行うつもりである。そのための国内・外国出張を増やすことや、外国人研究者を招へいすることも行う。また、平成26 年度には研究成果発表用にモバイル・パーソナルコンピュータを購入する。
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