2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540133
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
種市 信裕 鹿児島大学, 理工学研究科, 教授 (00207200)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関谷 祐里 北海道教育大学, 教育学部, 教授 (10226665)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 多次元分割表 / 完全独立性検定 / エッジワース展開 / 改良変換統計量 |
Outline of Annual Research Achievements |
カテゴリカルデータ解析において,いくつかの要因により非常に複雑に関係しあったデータを表現するためには多次元分割表を用いる必要がある。多次元分割表はセル数が非常に多くなるため1つのセル当たりのデータ数が稀となることが多い。このような場合に分析をおこなうと,検定統計量の正確な分布とその漸近分布であるカイ二乗分布との乖離が大きくなり,検定等の信頼性が疑わしくなる。本研究の目的は,一般の多次元分割表における種々の独立性検定において,検定統計量の帰無分布の漸近展開に基づき,標本数が少ない場合にもカイ二乗分布による近似が良い変換統計量を構築することによって, 信頼性の高い方法を開発することである。その目的のために, 24年度, 25年度までに達成した, (1)M次元分割表における完全独立なモデルのもとでの局所エッジワース近似の導出。(2)M次元分割表における完全独立性検定統計量の展開式の導出。(3)M次元分割表における完全独立性検定統計量の分布の多変量エッジワース展開の導出。 という研究成果をを用いて, 中・小標本でも信頼度の高い改良変換統計量の構築を行い, モンテカルロシミュレーションにより対数尤度比統計量等, 元の統計量と変換統計量における標本分布とカイ二乗分布との乖離を調べる性能評価をおこない, 改良されていることを示すことができた。 現在, 変換統計量の検出力による評価をおこなっている段階である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
メインである変換統計量の導出までは完全に達成し, さらにその性能の評価においてカイ二乗分布との乖離度について評価をおこなった。しかし検出力による評価については現在進行中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
M次元分割表の完全独立性検定の変換統計量の検出力による評価をおこない, その後研究計画の次の課題である3次元分割表において一つの要因が他の要因と独立であるという帰無仮説のもとでの検定統計量の漸近展開式およびそれに基づく変換統計量の導出, さらに3次元分割表の条件付き独立性検定のための検定統計量についての考察をおこなう。
|