2013 Fiscal Year Research-status Report
自己組織化マップにおける大域的整列化と準吸収特性を有するクラスに関する研究
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24540134
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
星野 満博 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (90322338)
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Keywords | 自己組織化マップ / 非線形解析 / 吸収性 |
Research Abstract |
当該年度の計画として,自己組織化マップにおいて,逐次学習による順序化・整列化の形成過程での状態クラスに注目したとき,閉クラスおよび準吸収的特性をもつクラスの存在性に焦点をあて,理論的アプローチと計算機シミュレーションによるアプローチを試みること,特に,学習率変動と大域的整列化の関係,非線形関数解析学的アプローチによる展開,準吸収特性をもつクラスとその性質についての理論研究に重点をおき,研究を進めてきた.詳細は以下の通りである. 学習率が一定の条件のもとで単調性を保証しないような特徴的な学習方法が幾つか存在するが,そこでの順序化,整列化の特性を考察する為に,理論的アプローチ試みた.特に,仮定する空間を拡張し,1次元配列,内積空間に値をもつ一般型ノード値を仮定した下で,状態クラスに厳密な意味での閉性をもたないような学習近傍や学習ルールをもつ自己組織化マップ・モデルに対して,可変学習を導入することによる閉性の保存,整列化について考察した.主に,可変学習率と大域的整列化を保証する為の条件についての研究を進めた.更に,このときの状態および整列化の挙動を可視化する為の計算機シミュレーションを作成した.また,特に進展が期待できるものとして,古典的な1次元配列,実数値ノード型自己組織化マップ・モデルにおいても,状態クラスにおいて閉性をもたせるための学習条件の拡張についての研究を一部であるが推進することができた.更に,関連する周辺応用研究として,幾つかの工学的な研究の実施とそれに関する成果をあげることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定での準吸収特性を有するクラスの存在性とその性質についての理論研究及び大域的順序化,整列化の評価指標の提案に関しては,十分な結果が得られていないが,学習プロセスの条件を緩めた下での,閉性すなわち吸収特性を有するクラスに関する理論展開とそこでの特徴的な数値モデルを挙げることができた.また,一部進んだものにより,古典的な状態クラスの単調性保存則を保つためのより弱い仮定を与える為の準備が整ったと云える.自己組織化マップにおける大域的整列化現象とそこへ至るまでの形成過程について,数学的構造の解明への研鑽を積むことができたと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の研究実施計画は以下の通りである. 自己組織化マップにおいて,逐次学習による順序化・整列化の形成過程での状態クラスに注目したとき,閉クラスおよび準吸収的特性をもつクラスの存在性に焦点をあて,理論的アプローチと計算機シミュレーションによるアプローチを試みる.特に以下に重点をおく. 1)状態クラスの単調性保存に関する条件の一般化 2)閉性をもつクラスの一般化 3)学習率変動と大域的整列化の関係について 4) 自己組織化マップの大域的順序化,整列化の評価指標を提案 5)工学的周辺応用研究の実施
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究上で実施する計算およびシミュレーションに使用するコンピュータが既存のもので、概ね賄うことができたため. 1)ワークステーションの購入(更なる計算機シミュレーションの為) 2)関係書籍の購入 3)旅費(研究成果発表の為) 4)謝金 5)その他消耗品(データ保存他)
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