2015 Fiscal Year Annual Research Report
常微分方程式に対する”先読み”線型多段階法の実装と拡張
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24540150
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
三井 斌友 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (50027380)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 数値解析 / 微分方程式 / 離散変数法 / 収束性 / 安定性 / プログラム実装 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究課題である「常微分方程式に対する``先読み''線型多段階法の実装と拡張」に沿って,``先読み''線型多段階法(以下,LALMM と略記する)の解析と,例題を通じてそのプログラミングを追求し,研究成果を国内外の機会に発表した。併せて,微分方程式に対する数値解析の研究課題に関して国内外の研究者との討論・研究交流を実施した。特に,中国の研究者2名とは,研究課題に関連するテーマで集中的な討論を行い,その成果を国際研究集会における講演や,学術論文として発表した。 前年度研究実績報告において,LALMM の実装と拡張の数値実験において,安定性実現のために予期しなかった障害が生じたと述べた。その克服として LALMM の一ステップにおける内部反復過程の収束判定を、適応的に制御することとした。この措置によって,2段階 LALMM ではあるが,総合性能評価 (total performance evaluation) において,古典的 Runge-Kutta 法,Hamming 予測子・修正子法に匹敵する性能を達成できることを確認できた。この成果は,第44回数値解析シンポジウム(2015年6月,山梨県甲州市)および第13回数値解析応用数学国際会議 (2015年9月,ギリシャ・ロードス島)において講演発表した。後者については,その会議録 (proceedings) に掲載が認められ,現在印刷中である。 研究課題に密接に関連する研究として,Qian Guo (Shanghai) と確率遅延微分方程式の数値スキームの安定性評価に関して研究し,「科学計算と微分方程式」国際会議(2015年9月,ドイツ・ポツダム)における講演発表と,Journal of Comp. Appl. Math. での論文発表を行った。
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