2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540153
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
高橋 勇人 統計数理研究所, 大学共同利用機関等の部局等, 研究員 (50518959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
釜江 哲朗 大阪市立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80047258)
梅野 健 京都大学, 情報学研究科, 教授 (10358872)
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Keywords | 乱数 / 乱数検定 / 擬似乱数生成 |
Research Abstract |
研究代表者の高橋は全体の統括および条件付き確率に関するアルゴリズム乱数の研究をした.特にある条件の下でHippocratic randomness (Blind randomness)を用いたLambalgenの定理の一般化をした.また,正規数の部分列が再び正規数となる選出関数を特徴付けたものとしてKamae-Weissの定理があるがそれのアルゴリズム乱数に対応する結果を論文誌[LNAI7070]で発表した.ここでの結果はvan Lambalgen(Ph.D. thesis 1987)で予想されていたものと矛盾するかどうかは不明であるがこの問題に対する自然な結果を初めて与えたという意味で重要である. 研究分担者の釜江はランダムネスを測るやさしい基準を定義し,これに基づく擬似乱数の性質を調べた.また,この基準を満たす擬似乱数生成法を考案した.このように生成された擬似乱数はカイ2乗検定によっていかなる合理的水準でもアクセプトされた[Sankhya A掲載予定]. 釜江の研究は全く新しい擬似乱数生成法で様々な応用の可能性がある. 研究分担者の梅野は離散フーリエ変換の代わりに原始根を用いるユニタリー変換に基づく新たな乱数検定法を作り,いくつかの非乱数系列のセットで、離散フーリエ変換検定(DFT検定)では非乱数性が検出されないにも関わらず,この新しい方法では非乱数性の特徴を検出できることが解った.また,乱数検定に用いる乱数生成については,ガウス分布を拡張したq-Gauss分布を持つ乱数生成方法を,Box-Muller法を拡張しエルゴード力学系で生成する一般的な方法[IEEE IT 2013]を考案した.また,カオス乱数を用いるモンテカルロ計算法のチュートリアル論文[IEEE Circ. Sys. Mag. 2013]も発表した.梅野の研究は既存の乱数検定を再評価するもので重要である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高橋はblind randomnessを用いたvan Lambalgenの定理の一般化と条件付き確率に関する乱数について研究し結果を国際会議(CCR 2013 Moscow)で発表した.ここでの目的は条件付き確率がパラメータに関して計算可能でない場合に既存の条件付き確率に関する乱数の定義[Takahashi 2008]を拡張することにある.条件付き確率は尤度比の極限として表せるが今回はその収束の速さに関連した条件のもとで従来の結果を拡張した.また無ひずみデータ圧縮の乱数検定への応用についてサーベイした. 釜江は新しい擬似乱数生成法を提案した.この擬似乱数は単純なコンピュータシミュレーションを用いて有用性が確認された[Sankhya A掲載予定]. 梅野の乱数検定に関する結果は論文誌[IEEE Circ. Sys. Mag. 2013],[IEEE IT 2013]に掲載されている.
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Strategy for Future Research Activity |
高橋は条件付き確率に関する乱数の研究に関連した問題として条件付き確率が計算可能でない具体例を構成する.釜江は提案をした擬似乱数生成法についてコンピュータシミュレーションをより実用的な複雑さレベルでも行い有用性を確認する.またBenjamin Weissの意味でのPoisson randomnessとの関連を研究する.今年度以降は乱数検定を最重要課題としプロジェクト参加者全員でそれぞれの立場から研究する.既存の検定法を再評価するとともに新しい検定法の提案を目標とする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外の研究者と情報交換のための出張を計画したが事情によりキャンセルした. 差額分は今年度以降の旅費に使用する予定.
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Research Products
(4 results)