2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24540154
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
新井 朝雄 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80134807)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 漸近的摂動論 / Dirac作用素 / 汎関数積分 / Golden-Thompson不等式 / 正準交換関係 / 量子ゼノン効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度 (1) ヒルベルト空間上の線形作用素に関する新しい漸近的摂動論を構築し、これを質量が0の量子場のモデルのハミルトニアンに応用し、その基底状態エネルギーの結合定数に関する漸近展開を任意のオーダーまで求めた。(2) 抽象的ボソンーフェルミオンフォック空間上の無限次元Dirac作用素のある特別なクラスについて、スペクトル特性とフレドホルム性を調べた。特に、摂動の強結合領域において、非摂動的効果と解釈される新しい固有値が出現する現象の存在が明るみに出された。 平成25年度 (1) 確率測度のフーリエ変換から定まる、実変数x>0の関数について、xが無限大となる極限における漸近展開に関する定理を導出した。この定理を量子ゼノン効果に応用し、量子ゼノン効果の尺度を与える確率量の等時間分割に関する漸近展開を任意のオーダーまで求めた。(2) 有限自由度のボソンーフェルミオン系の統計力学を考察し、系のハミルトニアンが生成する熱半群から定まる物理量(分配関数、相関関数等)に対して汎関数積分表示を確立した。(3) 一般の量子系における保存量に関する数学的側面を研究し,ある種の分解定理を導出した.(4) 一般化された正準交換関係のヒルベルト空間表現を考察し,ヴァイル型表現の場合に,通常の正準交換関係のヴァイル型表現に関するvon Neumannの一意性定理に相当する定理を証明した.(5)空間変数に依存する質量をもつDirac作用素のあるクラスのスペクトル解析を行った.
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Research Products
(5 results)