2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
岡 裕和 茨城大学, 工学部, 教授 (90257254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平澤 剛 茨城大学, 工学部, 教授 (10434002)
植木 誠一郎 茨城大学, 工学部, 准教授 (70512408)
細川 卓也 茨城大学, 工学部, 准教授 (90553579)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 半線形発展方程式 / 移流拡散方程式系 / ボルテラ方程式 / 半閉作用素 / 合成作用素 / Bergman空間 / 荷重付き合成作用素 / べきコンパクト |
Research Abstract |
本年度の研究実績は以下の通りである。 1.半線形発展方程式の軟解はボルテラ型の積分方程式の解として定式化される。そのため,軟解の初期値に関する連続的依存性は,2つのボルテラ型の積分方程式の差を評価することで得られ,評価後の方程式は特異な核をもつスカラー値ボルテラ方程式となりえる。このような着想のもとで,特異な核をもつスカラー値ボルテラ方程式の極大解に対する比較定理を準備して,半線形発展方程式の可解性を考察し,無流速境界条件付き移流拡散方程式系へ応用した。 2.ヒルベルト空間上の半閉作用素クラスの距離関数に関して,「半閉な対称作用素クラスにおいて,自己共役作用素クラスは相対的に開集合である」ことを証明した。既存の定理「稠密に定義された閉作用素クラスは半閉作用素クラスにおいて開集合である」をリゾルベントに関する条件に適用することで解決を図った。 3.Bekolle条件を満たす連続関数を重み関数とするBergman空間上の合成作用素の有界性およびコンパクト性を作用素構成因子である正則関数の持つ函数論的な性質で特徴付ける研究を行った。この種の研究では正則関数の函数論的性質がどのように作用素の性質に影響するかを調べることが主題である。本研究では,J.H.ShapiroやW.Smithの研究手法に倣って正則関数と重み関数から構成されるNevanlinnaの個数関数を新たに導入し,この個数関数と重み関数の境界挙動を用いて合成作用素の有界性・コンパクト性が特徴付けられることを明らかにした。 4.有界正則関数空間上で荷重付き合成作用素を考え,そのべき乗がコンパクトになることを作用素のシンボルの境界挙動についての条件で記述した。さらにそのとき,固有関数が有界であることとの関係について考察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究計画・目的に沿って、これまでに雑誌論文3件、学会発表6件の研究成果が挙がっているため。
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Strategy for Future Research Activity |
発展方程式および偏微分方程式関係の研究会やセミナーに参加し研究資料・情報の収集を行う。特に現在, 準線形双曲型発展方程式の時間大域解の理論の研究を行っている連携研究者の田中と研究代表者との研究打ち合わせは複数回にわたって, 実施する。 「方程式が働く場である関数空間の立場からの理論考察」は, 平澤がヒルベルト空間上の作用素論的側面から, 植木が解析関数空間の立場から, 細川がハーディー空間の立場からそれぞれの研究を実行する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
少額のため, 偏微分方程式関係の図書購入に充当する.
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Research Products
(9 results)