2012 Fiscal Year Research-status Report
変動する指標をもつ関数空間を基礎とした調和解析とその応用
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24540159
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
中井 英一 茨城大学, 理学部, 教授 (60259900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 利郎 茨城大学, 理学部, 教授 (80157057)
曾布川 拓也 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (60252946)
貞末 岳 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (40324884)
澤野 嘉宏 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (40532635)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 調和解析 / 変動指数 / 関数空間 / 分数べき積分 / Hardy空間 / Orlicz空間 / Campanato空間 / Morrey空間 |
Research Abstract |
この研究は、これまで長年にわたって研究が積み重ねられてきた調和解析の理論を、変動指数を伴う関数空間や振動・増大度が変動する関数空間など、新しい関数空間に適用し、応用範囲の広い理論を確立することを目的とする。この年度は、具体的に以下のように研究を進めることができた。 1.変動指数を持つハーディー空間と関連する関数空間について、アトム分解、リトルウッド・ペイリー分解等による特徴付けを行った。特異積分作用素等についての有界性も得た。また、変動指数を持つハーディー空間の双対空間として、変動増大度をもつ カンパナト空間についての理論を構築した。オーリッツ・ハーディー空間についての基礎研究を行った。 2.変動指数を持つルベーグ空間についてリトルウッド・ペイリー理論を構築し、リースポテンシャルに関する ガグリアルド・ニレンバーグ不等式を証明した。ムシャラク・オーリッツ・モリー空間について、最大作用素の有界性およびリースポテンシャルの有界性を示した。 3.振動・増大度が変動する関数空間であるBシグマ・モリー・カンパナト空間について、フーリエ・マルチプライヤー、擬微分作用素、特異積分作用素、カルデロン・ジグムンド作用素、分数べき積分作用素など、種々の積分作用素の有界性を証明した。さらに リトルウッド・ペイリー理論の適用を行った。 4.マルチンゲール理論については、調和解析学的視点からオーリッツ・ハーディー空間、モリー・カンパナト空間を定義することに成功し、その性質を詳しく調べた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
変動指数を伴うハーディー空間、ムシャラク・オーリッツ・モリー空間、Bシグマ・モリー・カンパナト空間について、理論を整備し、これらの関数空間における種々の積分作用素についても研究を進めた。これらの結果は、学会、研究集会等で発表するとともに、論文にまとめて公表した。この年度の出版論文数は9篇、出版予定が3篇であり、予想を上回っている。 また、オーリッツ・ハーディー空間についての基礎研究を行うとともに、マルチンゲール理論の観点からも研究を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度に得られた結果を基にして、ムシャラク・オーリッツ空間、ムシャラク・オーリッツ・モリー空間、オーリッツ・ハーディ空間等において種々の積分作用素の研究を行う。さらに、偏微分方程式への応用の観点からの基礎研究を行う。変動指数ベゾフ空間、変動指数トリーベル・リゾルキン空間および変動指数モジュレーション空間の基礎研究に着手する。またBシグマ・モリー・カンパナト空間とローカルモリータイプ空間との統一理論を構築する。このため補間理論に関する基礎研究を行う。調和解析の観点からマルチンゲール理論を見直すとともに、変動指数を伴うマルチンゲール空間の研究を行う。 研究の進捗状況により、さらに他の研究協力者を依頼する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費について以下の予定である。なお、予定の研究協力者で年度末までに招聘できず残った分についても合わせて実行する。 海外の研究者を訪問し、また、海外から研究者を招聘して共同研究を行う。研究代表者と研究分担者、連携研究者との研究打合せを行う。必要に応じて研究協力者を招聘する。「実解析学シンポジウム2013」に参加、講演を行うとともに最新研究の情報収集にあたる。国際研究集会「Asian Mathematical Conference 2013」、「1st East Asian Conference in Harmonic Analysis and Applications」に参加して、研究成果を発表すると共に、最新の研究情報の収集にあたる。9月の日本数学会秋季総合分科会と3月の日本数学会年会においてそこまでの成果を発表する。
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Research Products
(23 results)