2014 Fiscal Year Annual Research Report
ハミルトン-ヤコビ方程式と対数型ソボレフの不等式の研究
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24540165
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤田 安啓 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 教授 (10209067)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Hamilton--Jacobi方程式 / 対数型Sobolevの不等式 / Lipschitz正則効果 / 函数の近似法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は, Hamilton-Jacobi方程式と対数型Sobolevの不等式の関連を明らかにすると同時に,この関連の有用性を応用することにあった。結論的に言えば、この目的は十分満足の行く形で達成することができたと言える。 具体的に説明して行く。対数型Sobolevの不等式についてはこの研究期間全体を通じて3編の論文を書いている。この3編のうち,最終年度には1編の論文を書いている。最終年度に書いた論文はLp型の対数型Sobolevの不等式についてである。この論文は,2003年にI.Gentilが導いたLp型の対数型Sobolevの不等式の完全な証明を始めて扱っている(I.Gentilの証明にはgapが存在していた)。この不等式を導く際の鍵となったのがHamilton-Jacobi方程式とその解の精密な評価である。この証明により,I.Gentilが導いた不等式が正しいものであることが示されると同時にその不等式におけるHamilton-Jacobi方程式の重要性が再認識された。また,この証明に用いられた函数を多段階で近似していく方法は同種の不等式を証明する際にも有用になることと確信している。 次に,この研究期間全体を通じて書いた3編の論文のうち最終年度以外に書いた2編の論文は,Lp型の対数型Sobolevの不等式においてp→∞としたものである。p→∞として,新たに得られる不等式はLipschitz定数を含んでいる。このことがHamilton-Jacobi方程式の解のLipschitz正則効果へと応用され,当初の目的であるLipschitz正則効果の評価への応用に役立つこととなった。 このように,本研究を通じて,Hamilton-Jacobi方程式と対数型Sobolevの不等式の関連を明らかにすることができた。同時に,この両者の関連の有用性をHamilton-Jacobi方程式の解のLipschitz正則効果へと応用することができた。
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