2014 Fiscal Year Annual Research Report
Dirichlet形式が定める対称拡散過程の局所構造と付随するノイズの研究
Project/Area Number |
24540170
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
日野 正訓 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (40303888)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 確率解析 / Dirichlet形式 / 対称拡散過程 / 局所構造 / ノイズ / フラクタル / ウィナー空間 / エネルギー測度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はフラクタル上のエネルギー測度の分布について詳しい研究を行った.R. Bell, C.-W. Ho, R. S. Strichartzによる先行研究では2次元標準シェルピンスキーガスケット上の標準ディリクレ形式に関して,エネルギー測度が各セルに分布する状況を表わす係数を導入し,その極限について2つの予想を提出した.本年度,研究代表者は少し一般化された状況において予想の1つを肯定的に解決することができた.当該研究については論文を執筆し,現在学術誌に投稿中である. 研究期間全体を通じた成果と意義について述べる.フラクタル上の対称拡散過程の局所構造については,ディリクレ形式から定まる内在的距離と測地距離との関係を明らかにしたこと,及びエネルギー測度に関する新たな性質を証明したことを通じて局所構造に関する理解を深めるとともに,今後考察すべき方向性について指針を得た.無限次元空間上の解析に関しては,ウィナー空間上の局所有界変動関数の理論を確立し,解析可能な新たな興味ある例を与えた.この方面の研究への様々な応用の可能性を期待されるものである.以上の研究は本研究課題の目的に添うものであるとともに,付随した課題がまだ多く残されている状況であるため,更なる研究の遂行が必要であると考えられる.また,ここ数年間の研究成果を纏めた和文論説を執筆して掲載された.英語への翻訳も行い,現在投稿中である.これらにより,本研究テーマに関する情報発信と現況の整理を行うことができたと考えられる.
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Research Products
(5 results)