2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24540184
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
岡田 正已 首都大学東京, 理工学研究科, 教授 (00152314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森藤 紳哉 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (30273832)
上野 敏秀 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (40381446)
澤野 嘉宏 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (40532635)
立澤 一哉 北海道大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80227090) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 不規則格子点 / 正定型関数 / サンプリング補間 / ラグランジュ補間関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
古典的なシャノンのサンプリング定理の一般化、具体的には、観測点が多次元ユークリッド空間に不規則配置された無限個の場合、さらに扱える原関数が帯域制限のない場合も扱えるように取り組んだ。方法としては、ある性質の良い関数を平行移動したものの一次結合で原関数を補間することが考えられ、実際、有限個の観測点の場 合にはすでに広義の正定型関数による再生核の理論を用いた研究があった。正定型関数と無限個の観測点とがそれぞれ自然な条件を満たしていれば、当初の目的が達成されると予想した。以下のように、所期の目標が達成でき、最終年度には取りまとめた。 (1)正定型関数のフーリエ変換が真に正である領域が遠方で十分に広く、観測点集合がある分離条件を満たすならば、観測点でサンプリング補間することが可能である。 (2)原関数と観測点でサンプリング補間した関数との近似誤差評価は、原関数の滑らかさに応じた最良の近似度をもつ。即ち、観測点集合が密になるとき、規則格子の場合の古典的サンプリング定理における同じ近似度が得られ、一般にそれ 以上は期待できないことが示せた。 以上において、正定型関数に2つの観測点の差を代入して得られた無限行列が可逆であるための十分条件が求まったこと、多変数連続関数に対する多項式近似定理を誤差評価に用いたことが新たに得られた数学的知見である。前者は、一般に困難と思われる無限行列の可逆性について興味深い示唆を与え、後者は、一変数の場合は豊富な歴史を持ちながら、整備不十分であった多変版についての新たな具体的構成法を示しており、意義があると考えている。
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