2013 Fiscal Year Research-status Report
特異積分と関数空間の研究(偏微分方程式を視野に入れて)
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24540194
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
古谷 康雄 東海大学, 理学部, 教授 (70234903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤野 嘉宏 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (40532635)
松山 登喜夫 中央大学, 理工学部, 教授 (70249712)
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Keywords | 特異積分 / ハーディー空間 / 多重線形作用素 / Morrey空間 |
Research Abstract |
分数べき積分作用素のHerz空間上での有界性はすでに知られていたが、多重線形分数べき積分作用素のHerz空間の直積上での有界性を証明することができた。特に臨界指数においては Lipschitz 空間, BMO 空間への有界写像、、さらに臨界指数を超えると一般化されたCampanatoタイプの空間への有界写像であることを示した。 分数べき積分作用素の重みつきLp空間上での有界性についてはMuckenhoupt-Wheedenの結果が知られている。Morrey空間上での有界性については Spanne の結果とそれを改良したAdams の結果が知られている。Komori-Shirai は重みつきMorrey 空間で Spanne タイプの不等式を証明した。我々は重みつきMorrey 空間で Adams タイプの不等式を証明することができた。この結果は Muckenhoupt-Wheedenの不等式,Adamsの不等式, Komori-Shiraiの不等式をすべて含むものである。 古典的な Lp 空間以外に Herz 空間, Morrey 空間を特別な場合として含むような関数空間の枠組みとして,局所的に関数の分数べきLp 平均を考えてその supremum をとるというB_{sigma}空間というものを導入して、この関数空間上でのHardy-Littlewood 極大作用素、特異積分作用素、分数べき積分作用素の有界性を証明し、さらにこの関数空間の基本的性質(Littlewood-Paley の理論など)を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多重線形作用素の有界性に関する結果を得ることができた。 B_{sigma}空間を導入したことにより、個別に研究されてきたMorrey空間や Herz 空間などの関数空間を統一的にとらえることができるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
多重線形分数べき作用素は我々が結果を出してきた Kenig-Stein 型以外に、もう少し特異度が高い Grafakos 型というものがある。今までの結果を踏まえてそちらにタイプの研究も進めたい。 Morrey 空間と重みの関係は Lp 空間の場合とは異なり、必要十分条件の形の理論は得られていない。我々の今までの研究で、この問題は本質的に難しい問題を含んでいることが分かってきた。さらに研究を続けたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2014年度に大きな国際研究集会を開催することが決まったのでそのための旅費、会場費にあてるために残した。 計画通りに「実解析学シンポジウム」「調和解析セミナー」「調和解析駒場セミナー」の旅費に60万円、報告集の印刷代に10万円。新たに計画した「Asymptotic Properties for Hyperbolic Equations」の旅費に50万円をあてる。残りは研究打ち合わせ旅費、図書費にあてる。
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