2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24540205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂井 秀隆 東京大学, 数理(科)学研究科(研究院), 准教授 (50323465)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | パンルヴェ方程式 / 差分方程式 / 特殊函数 / 超幾何函数 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において,目的として,パンルヴェ方程式の理論の高次元化を掲げてきた. 4次元の場合,方程式の部分的な分類が,付随する線型方程式の分類から,川上・中村・坂井によって得られていたが,これを分岐型方程式の場合にも拡張して,分類を完成させる理論として,前論文の共同研究者であった川上拓志氏によって完成されつつある. また,この分類を幾何学的な文脈に書き換えるというふたつ目の課題についても,共同研究者であった中村あかね氏の博士論文(2014年度)において,最初のステップが完成した.中村氏の結果は,川上・中村・坂井の結果および川上氏による分類に現れた方程式の自励極限を考え,その場合のファイバーの退化の様子から方程式を特徴づけようというものであり,具体的には,浪川・上野による種数2の曲線の退化の分類表で,方程式が特徴付けられている. 研究目的に挙げてきたもうひとつの課題である超越解に関する内容であるが,Lisovyy 氏らによる,共形場理論を用いた解の構成について,理解するところまでしか進んでおらず,新しい結果にはまだ結びついていない.来年度以降も,この内容について,研究に取り組んでいこうと思う. 最終年度,研究代表者である坂井個人の成果としては,あまり寄与できていないのであるが,(2014年度,大学院生だった中村氏の結果を含め)研究グループとしては,当初目的に挙げていたような理論を,かなり達成できたと考えている.
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