2013 Fiscal Year Research-status Report
フォンノイマン環,自由確率論,非可換関数空間の研究
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24540214
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
植田 好道 九州大学, 数理(科)学研究科(研究院), 准教授 (00314724)
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Keywords | フォンノイマン環 / 自由確率論 / 軌道自由エントロピー |
Research Abstract |
今年度は主に自由確率論に於ける情報量研究に専念した.具体的には次のような成果を得た. (1) 以前に泉氏の協力で行った軌道自由エントロピーと Voiculescu の自由相互情報量の関係に関する仕事を整理して論文に纏め公表・投稿した. (2) 昨年度,概周期的な忠実正則状態に対するフォンノイマン環の自由積に対する離散構造定理を中心とする成果を得たが,いくつかの点で不満が残っていた.1つは私の仕事の少し前に発表された他者の結果を利用していたことだった.必要な事実に対する格段に厳密かつ見通しの良い自前の証明を加えるとともに1つの結果を拡張可能な範囲で完全にし,さらに幾つかの関連して得られる結果を加えた論文の拡張版を準備し公開・投稿した. (3) 7月に教育義務をうまくやりくりして2週間ほど自由確率論の研究プログラムに参加した.研究発表も行ったが,良い機会なので以前に日合氏と調べて中途半端な形で放置していた軌道自由エントロピーに対する Legendre 変換に基づくアプローチを再考察し始めた.研究プログラムから戻ったあとも研究を進め完成させ公開・投稿した. (4) 最近行われたフォンノイマン環の自由積が Cartan 部分環を持たないという一連の最近の仕事にやり残されていた箇所があったので,それを研究し肯定的に解決した.すぐ論文に纏め公表・投稿した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非可換ハーディー空間の研究に動きがないのは不満だが,それを上回る調子で軌道自由エントロピー(日合氏らと共に私が導入した自由確率論版相互情報量)の研究が進んでいる.難しい問題は依然手が届かないが,随分と軌道自由エントロピーがよくわかるようになって来た.また,フォンノイマン環の自由積の研究においてはその先頭を走る1人であり続けられている.
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Strategy for Future Research Activity |
この辺りで非可換ハーディー空間の研究に何か進展が欲しいところ否めない.他の課題が進んだ為にどうしても時間が取れずにいるが,ここで意識して時間を確保して何か進展させたい.そのために少しタイムマネージメントを検討したい.他方で他の研究課題に関して言えば,順調以上に成果が上がっているので興味のおもむくまま研究すれば良い.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究課題初年度に研究以外の側面で不測の事態が発生し,一定期間本務校を離れるのが難しいことがあり出張計画が予定通りに行えなかった.この初年度の件が影響を及ぼした. 今年度は研究申請時よりも活発に研究旅行を行い,初年度の分をずいぶんと取り戻した.この調子で積極的に研究成果発表等をすれば次年度中にはほぼ差額が生じないようになると考えている.
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Orbital free entropy2013
Author(s)
Yoshimichi Ueda
Organizer
AMS-RMS joint meeting, Special session: Random matrices and free probability
Place of Presentation
"1 Decembrie 1918" University of Alba Iulia, Romania
Year and Date
20130626-20130630
Invited
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