2012 Fiscal Year Research-status Report
楕円関数を用いた陽的解表示による形状と大域的分岐構造の研究
Project/Area Number |
24540221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
四ツ谷 晶二 龍谷大学, 理工学部, 教授 (60128361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 善久 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10192783)
松本 和一郎 龍谷大学, 理工学部, 教授 (40093314)
二宮 広和 明治大学, 理工学部, 教授 (90251610)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 非線形境界値問題 / 完全楕円積分 / 楕円関数 / 交差拡散方程式 / 反応拡散方程式 / 極限方程式 / 弾性曲線 / 線形化固有値問題 |
Research Abstract |
四ツ谷は,研究課題に関連する従来の研究結果を紹介した数学セミナー連載記事を大幅に加筆・修正し単行本とするために2012年度1年間かけ執筆し脱稿した.2013年に出版予定である. 研究課題の中心テーマのひとつである交差拡散方程式については,Ni教授(ミネソタ大・華東師範大学),Lou教授(オハイオ州立大)と共同研究により,空間1次元の場合の楕円関数による解表示を詳細に検討して,空間多次元の場合の定常解の存在と安定性について全く新しい結果を得た.この結果を米国・台湾での二つの国際会議において成果発表を行った.この結果は,今後の期待される多次元問題解析の基礎となるものである. さらに,松本・村井と面積制約条件付平面弾性曲線の問題の曲率の爆発現象についての共同研究を進展させ,国際会議The 9th AIMS Conferenceにおいて成果発表を行った.発表内容をもとに詳しく具体的な計算を実行したものが欧文誌DCDS Supplementに掲載決定された.この論文で示された楕円関数による解表示はさまざま状況下での曲率の爆発現象の解析の基礎となるものである. 森田は空間多次元の双安定な反応拡散方程式の非平面進行波の存在について調べた.二宮は反応拡散系の解形状を調べるために,反応拡散系の特異極限をとった自由境界問題を取り扱っている.この自由境界問題の取り扱いは非常に困難なため,まず,自由境界問題を少し簡単にしたモデル方程式を取り扱い,円盤上の回転スポット解の存在を示し,この回転スポット解を用いて2次元平面上の回転スパイラル解の構成に成功した. これらの結果はは将来,交差拡散方程式方程式の進行波の研究に有用なものとなると期待される.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的のうち,cross-diffusion 方程式に関することと,面積制約条件付平面弾性曲線の曲率の爆発現象については予定通り研究が進んでいる. 線形化固有値問題については共著論文(共著者:若狭徹准教授(九州工大))がほぼ完成し,推敲の上で2013年6月に欧文誌に投稿する状況にある. 供給項をもつGierer-Meinhart 系の大域的分岐構造と極限形状解明の計算は若干遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
大きく分けて次の4つの内容について研究を推進する.第1は,交差書拡散方程式の極限方程式の1次元定常解の大域的構造の完全解明,高次元への拡張,数値計算結果等を論文としてまとめ,欧文誌に投稿することである. 第2は,長さ・面積を与えた,平面閉弾性曲線の大域構造と爆発現象の解明結果を論文としてまとめ欧文誌に投稿することである. 第3は,3種よりなる反応拡散方程式系を2種のcross-diffusion方程式で近似できることについて,近似の度合いを数値計算で検証を行い,これを用いて3種反応拡散方程式の構造解明を試みることである. 第4,は非局所項をもつ Gierer-Meinhart 系の大域的分岐構造と極限形状解明の理論的解析を行うことである.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は109,109円は,予定していた共同研究の出張旅費・招聘旅費を2013年度に回したためである.したがって,これらの分は2013年度に使用する. 申請時の2013年度の研究費の使用計画はそのままである.
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Research Products
(12 results)