2013 Fiscal Year Research-status Report
楕円関数を用いた陽的解表示による形状と大域的分岐構造の研究
Project/Area Number |
24540221
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
四ツ谷 晶二 龍谷大学, 理工学部, 教授 (60128361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 善久 龍谷大学, 理工学部, 教授 (10192783)
松本 和一郎 龍谷大学, 理工学部, 教授 (40093314)
二宮 広和 明治大学, 総合数理学部, 教授 (90251610)
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Keywords | 非線形境界値問題 / 完全楕円積分 / 楕円関数 / 交差拡散方程式 / 反応拡散方程式 / 極限方程式 / 弾性曲線 / 線形化固有値問題 |
Research Abstract |
四ツ谷は,研究課題の「楕円関数を用いた陽的解表示による形状と大域的分岐構造の研究」に関連する,これまでの研究結果を紹介した数学セミナー連載記事(2011年4月号~2012年4月号)を大幅に加筆・修正し,2013年度12月に単行本として日本評論社より出版した. 研究課題の中心テーマのひとつである cross-diffusion 方程式(交差拡散方程式)については,Ni教授(ミネソタ大・華東師範大学),Lou教授(オハイオ州立大)と共同研究により,空間1次元の場合の楕円関数による解表示を詳細に検討して,空間多次元の場合の定常解の存在と安定性について全く新しい結果を得た.この結果をまとめた論文は欧文誌DCDSに掲載が決定した.この結果は,今後の期待される多次元問題解析の基礎となるものである. さらに,松本・村井と面積制約条件付平面弾性曲線の問題の曲率の爆発現象についての共同研究を進展させ,国際会議 The 9th AIMS Conference において発表を行っていた.この内容をもとに,詳しく具体的な計算を実行したものが欧文誌DCDS Supplementに掲載された.この論文で示された楕円関数による解表示はさまざま状況下での曲率の爆発現象の解析の基礎となるものである. 森田は全質量が保存される反応拡散方程式の定常解の安定性を調べるひとつの手段として,特別な状況下では,リヤプーノフ関数が構成できることを示した. 二宮は,移動性細胞を表現する自由境界問題において,外部刺激が存在する場合に一定速度で移動する細胞領域が存在することを示した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的のうち,cross-diffusion 方程式に関することと,面積制約条件付平面弾性曲線の曲率の爆発現象については予定通り研究が進んでいる.線形化固有値問題については共著論文(共著者:若狭徹准教授(九州工大))は既に論文を欧文誌に投稿した. 供給項をもつGierer-Meinhart 系の大域的分岐構造と極限形状解明に取り組んでいきたい.
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Strategy for Future Research Activity |
1.cross-diffusion方程式の極限方程式の1次元の場合について,定常解の大域的構造の完全解明,数値計算結果等を論文としてまとめ,欧文誌に投稿する. 2.長さ・面積を与えた,平面閉弾性曲線の大域構造解析のための基本的な解の表示式は欧文誌に発表したので,これを応用して爆発現象の解明結果を論文としてまとめ,欧文誌に投稿する. 3.3種よりなる反応拡散方程式系を2種のcross-diffusion方程式で近似できることについて,近似の度合いを数値計算で検証を行い,これを用いて3種反応拡散方程式の構造解明を試みる. 4.非局所項をもつ Gierer-Meinhart 系の大域的分岐構造と極限形状解明の理論的解析を行う.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
共同研究のために招聘旅費を想定していたが,共同研究者と日程調整がうまく行かず実施できなかったため. 共同研究のために招聘旅費をとして使う.
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Research Products
(11 results)