2014 Fiscal Year Research-status Report
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24540222
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
岡 宏枝(國府宏枝) 龍谷大学, 理工学部, 教授 (20215221)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | dynamical systems / time series / topological / computational / morse decomposition |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,研究課題である力学系の大域構造を位相的に捉える方法の一つの発展として以下のような研究を行った。 1.ここでのswitching networkとは,遺伝子発現をモデルとする微分方程式系でpicewise-affineで与えられる単純なものである.我々は系に現れる不変集合の位相的タイプを,系の不連続な点の集合である超平面上での系のタイプで分類し,系を滑らかな微分方程式系に摂動したときの大域構造(不変集合のモース分解)の考察を行った。8月にLorenz center行われたワークショップ "Combinatorial/Topological Frameworks for Multiparameter Nonlinear Dynamics"で議論し,更に3月にRutgers Univ.で議論し現在論文執筆中である.(K.Mischaikow, H.Kokubu, T.Gedeonたちと共同研究) 2.time series のMorse 分解について微分方程式系で与えられるregulatory networkを考える.データに関するある条件下で,time series dataから得られるMorse 分解が,元の微分方程式系のMorse 分解の細分と出来ることを示した。また,Mirskyのサーカディアンリズムのモデルに対して,そのtime series dataからglobal attractorのモース分解についてシミュレーションを試みた.(口頭発表[1],[2]).現在論文執筆中である.(B.Fiedler,A.Mochizuki他と共同研究) 3. 気象データ,乱流データのパーシステント・ホモロジーによる解析についていくつかの予備計算をした.(稲津、河原,M, cramarと共同研究)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
少し遅れている理由は,コンピュータの購入が遅れたことと,パーシステント・ホモロジー の計算法に熟知しているM.Kramarの日本滞在中にいくつかの予備計算は行えたが,更に進めるために何人かの研究者が同時に時間をとることが必要となるが,そのチャンスがなかなか取れないこと等がある. その他については,もう少し早く進むことを期待していたが,ほぼ順調に進行している.
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Strategy for Future Research Activity |
1.switching network,2.time series のMorse 分解については,いくつかの結果(口頭発表したもの)がまとめられると期待出来る.これらの研究から,さらに発展したテーマに関しては,次年度でさらにクリアにし,今後の研究に繋げたい.3. 乱流データのパーシステント・ホモロジーによる解析については,共同研究者との何回かの議論で,パーシステント・ホモロジーの新たな計算法が必要であることがわかったので,これについて開発し何らかの結果を出したいと思う.気象データについては,予備計算を行ったが,いくつかのミスが見つかり,これを修正することを試みる.
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Causes of Carryover |
次年度使用額は3%であるが,これは,1月の出張が所用で全日程で参加出来なかったことと,3月外国出張旅費が予定額より低かったためというのが主な理由である.次年度に既にいくつかの海外で催される国際会議に出席が確定しているため,次年度持ち越しの方が効果的であると判断した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外で催される国際会議のための出張旅費に充てる予定である.
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