2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540224
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
井上 淳 福岡大学, 理学部, 教授 (50078557)
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Keywords | 非有界*-代数 / C*-代数 / 非可換微分構造 |
Research Abstract |
井上は海外共同研究者のM. Fragoulopoulou(アテネ大), K. D. Kuersten(ライプチヒ大)と非有界作用素環に関するクロス積について研究している. 平成24年度までに, O*-クロス積, 特にvon Neumann 代数の自然な非有界な一般化であるGW*-代数に対するクロス積(GW*-クロス積)を定義し, その性質を調べた. 平成25年度には平成24年度までに得られた結果をもとに我々は modular action によるGW*-クロス積の研究をすすめた. GW*-代数Mに冨田-竹崎理論が展開できるベクトル(標準ベクトルとよぶ)が与えられたとき modular action σが定義できる. このことよりGW*-クロス積R(M,R,σ)が考えられる. このR(M,R,σ)に対して次を考えた. 1. R(M,R,σ)はfaithful normal semifinite trace をもつ。 2. MはR(M,R,σ)のdual actionによるGW*-クロス積と同型である. FragoulopoulouとKuersten は平成25年度に福岡大学等を訪れ, この研究をすすめた. また, 井上は, Kuerstenとこれらの予想の解決をはかった. また, 井上はパレルモ大を訪れ, C. Trapani, F. Bagarello と非有界作用素環と量子物理への応用で討論を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
modular action σによるGW*-クロス積R(M,R,σ)上にfaithful normal trace が存在することは証明できたがそのtraceがsemifiniteであるかはわからない. また, type IIIのGW*-代数がある条件のもとでtype IIのdual action によるGW*-クロス積と同型であることを証明できた.
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Strategy for Future Research Activity |
modular action σによるGW*-クロス積R(M,R,σ)上のfaithfula normal trace がどのような条件のもとでsemifinite となるかを調べる. また, type IIIのGW*-代数の構造の研究をすすめる. Fragoulopoulou は平成26年度中に福岡大学を訪れ, 井上はライプチヒ大学を訪れこの研究をすすめる. (旅費+滞在費:約45万円) 残りは, 文房具類の購入に使うことを予定している. 平成27年度中に, 井上はモスクワ国立大を訪れ, A. Helemski, M. Fragoulopoulou とGW*-クロス積の研究をすすめる. また, パレルモ大を訪れ, C. Trapani, F. Bagarello と自己共役でないハミルトニアンの研究をすすめる.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
3月にパレルモ大学所属のC. Trapani および F. Bagarello を招へいし, D-quasi basis によって定義される自己共役でないハミルトニアンの研究についての討議を実施する予定だったが, 次年度の4月に変更になったため。 4月に招へいし、旅費として使用する.
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Research Products
(2 results)