2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24540224
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
井上 淳 福岡大学, 理学部, 非常勤講師 (50078557)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非有界*-代数 / O*-代数 / 非可換微分幾何 |
Outline of Annual Research Achievements |
井上は海外共同研究者のM.Fragoulopoulou(アテネ大), K.D. Kuersten(ライプチヒ大)と非有界作用素環(O*-代数)に関するクロス積について研究した. 平成25年度までに, O*-クロス積, 特にフォン・ノイマン代数の自然な非有界作用素環への一般化であるGW*-代数に対するクロス積(GW*-クロス積)を定義し, その一般論を調べた. 平成26,27年度に,GW*-代数Mに冨田-竹崎理論が展開できるベクトル(標準ベクトルとよぶ)が与えられたときmodular action σが定義でき, それをもとにGW*-クロス積Rが考えられる. ある自然な条件のもとでRはfaithful normal semifinite trace をもち, GW*-代数MはRのdual action によるGW*-クロス積と同型であることを示した. この結果により, GW*-代数の構造の研究をすすめることができた. フォン・ノイマン代数がtype Ⅰ, Ⅱ, Ⅲと分類されるように, GW*-代数をtype Ⅰ, Ⅱ, Ⅲに分類した. そして, 自然な条件のもとでtype ⅢのGW*-代数がmodular action によるtype ⅡのGW*-代数のGW*-クロス積と同型であることを示した. O*-代数, GW*-代数のクロス積とGW*-代数の構造についての研究はいくつかの未解な点が残っているがおおむね完了した. 我々はその結果を「Crossed products of Algebras of Unbounded Operators, Banach J. Math. 9(2015) 316-358」に発表した. type ⅢのGW*-代数の構造の研究をさらにすすめるために, partial GW*-代数のクロス積について研究を続けている.
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