2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24540226
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
花輪 知幸 千葉大学, 先進科学センター, 教授 (50172953)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 理論天文学 / 渦状銀河 / 流体力学 / 衝撃波 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に開発した流体力学方程式の数値解法を改良し、強い衝撃波を伴う場合でも2次精度で収束する解を得ることに成功した。衝撃波の付近だけ体積粘性を人為的に増やすという手法は昨年までと同様だが、その大きさは密度勾配の絶対値に比例するように改良した。昨年度までのように粘性係数を密度勾配の2乗に比例させると、衝撃波面の前後に速度勾配が不連続、従って速度の2階微分が発散する点が現れる。高次精度計算法は速度や密度の高階微分も連続であるという前提で構築されているため相性が悪い。本年の改良によりこの問題が取り除かれた。この方法を適用すると、衝撃波面が数値格子に対して傾いている場合や、波面に平行な速度が卓越する場合も衝撃波を正しく再現できることが明らかになった。これらの数値解法の改良については6月と9月に開かれた国際会議で口頭発表し、認められた。一方でWiggle instability が発生する機構についてはまだ十分な解明ができていない。改良した数値解法を適用すると、重力の渦状腕成分が弱い場合、不自然なゆらぎは消える。しかし渦状腕成分が卓越するとやはり不安定が発生する。一方で韓国のW. Kim教授らは1次元モデルの線形安定性を調べ、銀河衝撃波が振動不安定であることを見出した。これらの結果はWiggle instability を発生させる物理機構が存在することを示唆している。2次元シミュレーションで安定だった解では、衝撃波を通過後にガスが減速されているのに対し、不安定を示した1次元モデルでは加速されている。この違いが物理的な安定性と関連している可能性について理論的に考察したが、結論は得られないまま研究期間が終了した。
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Research Products
(8 results)