2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540232
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
山内 茂雄 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (60260410)
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Keywords | X線 / 銀河面X線放射 / X線スペクトル |
Research Abstract |
銀河系に付随する拡散X線放射の空間構造を明らかにするため、すざく衛星を用いて広範囲にわたって拡散X線放射の特徴である6.4、6.7、6.97 keVの3本の鉄輝線強度を探査した。約100地点の解析結果により、銀河円盤領域、銀河中心領域、バルジ領域のそれぞれの領域ごとに求めた6.7、6.97 keV輝線の強度比は同じではなく、系統的な差があることを確認した。またこの広域探査によって、系統的に6.97 keV輝線が非常に弱く、逆に6.4 keV輝線が強い領域があることも分かった。 銀河中心領域の北側の領域に見られる角状の構造について、そのスペクトル解析を行い、1keV程度の温度のプラズマガスからの放射モデルで良く説明できることがわかった。銀河中心領域の活動性との関連が考えられる。 銀河系内の高温プラズマガス成分と同様の成分が系外の銀河にも存在しているかを調査するため、系外渦巻銀河の観測データの解析を進め、鉄の輝線の探査を進めた。M101銀河において比較的強い鉄輝線を発見し、銀河系と同様の放射が存在することを示す結果を得た。銀河系内拡散X線放射との比較を通して詳しく調査したい。 銀河系内の超新星残骸のスペクトル解析を進め、高温プラズマガスの物理状態について調査を行った。Kes27からの鉄輝線は広がっていること、輝線構造と全体のスペクトルともG344.7-0.1と似通っていることがわかった。今後、高温プラズマの状態、および鉄輝線の起源について検討を進めたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
銀河系に付随する拡散X線放射成分のスペクトルに見られる3本の鉄輝線の強度を広い範囲にわたって探査し、銀河系の領域によってその強度比が系統的に異なっていることを明らかにした。また、系外銀河にも同様の拡散成分が見られるかについて探査を進めた。超新星残骸に付随する高温プラズマガス成分の物理状態について調査を進めた。これらは当初の計画に基づくもので、前年度の成果をふまえつつ順調に研究を進められていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究を継続し、広範囲にわたる拡散成分の特徴を明らかにし、その起源について検討を進めていく予定である。また、銀河系内の超新星残骸、系外銀河等、関連天体の解析も合わせて行っていく。
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Research Products
(5 results)