2013 Fiscal Year Research-status Report
100~500GHz帯VLBIに用いる高効率両円偏波受信機の開発および搭載
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24540234
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
小川 英夫 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20022717)
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Keywords | 宇宙物理 / 精密部品加工 / 電波天文学 / ミリ波 / 円偏波 |
Research Abstract |
我々は電波望遠鏡に搭載するカートリッジ型230GHz、345GHz帯域用両円偏波超伝導受信機の開発を行なっている。この受信機では、円偏波分離器を用いて両円偏波受信を行なう。ただし230GHz以上の高周波帯域においてはまだ円偏波分離器は実用化されていない。そこで我々は230GHz、345GHz帯域用の導波管セプタム型円偏波分離器の開発を現在進めている。 これまで主にセンチ波帯域で開発されてきた導波管セプタム型の円偏波分離器は、その導波管サイズの割にセプタムが薄かった(10:1等)ため、これをダウンスケールすることはできない。加えてセプタム部の製作誤差に非常に弱く、従来の設計手法(片掘り・2分割手法等)では設計通りの特性が望めない。 我々は、こうした問題を解決するために新たな円偏波分離器の製作方法を考案した。新手法では片掘りではなくセプタム4段目の面で2分割する等、随所に工夫を凝らしている。新手法の採用により、問題であったセプタムの厚さを導波管サイズの1/4程度まで厚くすることができた。また製作誤差も考慮したシミュレーション上では、従来よりも広帯域・高性能で、製作誤差に強く安定した円偏波分離器を設計することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概要にも述べたが、我々は製作誤差に強い円偏波分離器の開発を目指してきた。その結果、200GHz帯ではその開発に成功し現在台湾のグリーンランド電波望遠鏡に搭載する円偏波分離器を製作中である。さらに350GHz帯円偏波分離器の解析も進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
VLBI望遠鏡200GHz円偏波分離器の製作、グリーンランド電波望遠鏡受信機への組み込みを行なう。 また350GHz帯円偏波分離器の解析を完成させる。
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