2013 Fiscal Year Research-status Report
一般のスピンに対するヘリシティ振幅とLHCにおける標準理論を超える物理現象
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24540246
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
日笠 健一 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20208739)
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Keywords | 素粒子 |
Research Abstract |
1) LHCにおける第3世代のスカラークォーク探索実験の結果により,いわゆるNatural SUSY と呼ばれる超対称模型に対してどのような制限が課されるかを調べた。この模型のパラメータ空間に対する既存の制限として,ヒッグスボソンの質量,電弱精密測定,Bファクトリーによる希崩壊の情報を用い,これらと矛盾しないパラメータを用いて,LHCにおけるスカラートップおよびスカラーボトムクォーク対生成断面積を評価した。LHCのATLAS実験の探索結果を用いると,この模型では600GeVより軽いスカラートップは排除されることがわかった。 2) 超対称性を自発的に破るセクターが独立に複数存在したとすると,それぞれのセクターに南部ゴールドストンフェルミオンが存在することになる。このうち1つは超ヒッグス機構により,重力子のパートナーであるグラヴィティーノが質量を得る際に吸収されるが,それ以外は軽いスピン1/2粒子として存在する。この粒子(擬グラヴィティーノ)は標準理論の粒子と比較的大きな相互作用をする可能性がある。この場合,ニュートラリーノやチャージノがZ, H, W とこの粒子に崩壊できるため,LHCで生成されたニュートラリーノやチャージノを用いて,この可能性を調べることができる。現行のLHC実験では不足であるが,LHC高輝度将来計画において期待されるルミノシティがあれば,この崩壊を発見するだけの事象数が得られることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に大きな問題なく進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続いてLHCにおける新しい物理のかかわる反応について調べる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は,今年度の研究を効率的に推進したことに伴い発生した未使用額である。 平成26年請求額と合わせ,平成26年度の研究遂行に使用する予定である。
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