2016 Fiscal Year Annual Research Report
What is open string field theory able to describe?
Project/Area Number |
24540254
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大川 祐司 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (10466823)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 弦の場の理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の国友氏との共同研究により、開弦でフェルミオンを記述する Ramond sector を含むゲージ不変な超弦の場の理論の作用の構成に成功した。これは超弦の場の理論の古典的には完全でローレンツ共変な定式化の最初の例であり、弦の場の理論の枠組みで超弦理論の量子的な側面を調べる出発点に立つことができた。 弦の場の理論の作用をゲージ固定して量子化する際には、ゲージ対称性の構造が複雑であるため通常用いられる BRST 量子化を拡張した Batalin-Vilkovisky 量子化が用いられる。国友氏との共同研究で構成した作用はボソンを記述する Neveu-Schwarz sector に関しては Berkovits が構成した作用を採用していたが、この作用の Batalin-Vilkovisky 量子化は困難であることが以前の共同研究で明らかになっていた。 Batalin-Vilkovisky 量子化は作用がA∞構造と呼ばれる性質を持つ弦の積を用いて書かれていると容易に遂行できることが知られているが、今年度の Erler, 竹嵜氏との共同研究により、Erler, Konopka, Sachs によって開発されたA∞構造を持つ弦の積の構成法を国友氏との共同研究で用いた Ramond sector に課す拘束条件と両立するように工夫することで、フェルミオンを記述する Ramond sector を含みA∞構造を持つ開いた超弦の場の理論の作用の構成に成功した。 この作用はA∞構造を持つという長所がある一方、国友氏との共同研究で構成した作用とは違って高次の相互作用が閉じた形では与えられていないという短所があるが、以前の Erler, 竹嵜氏との共同研究で開発した手法を拡張することによって2つの作用が等価であることを示し、2つの作用の弦の場がどのように関係しているかを明らかにした。
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Research Products
(3 results)