2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540265
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菅野 浩明 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (90211870)
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Keywords | AGT 関係式 / 面欠陥作用素 / ハイパーケーラー計量 / モノポールウォール |
Research Abstract |
AGT 予想の背後にある数理的構造(アフィンへッケ代数など)の理解を深めるために4次元 N=2 超対称ゲージ理論における面欠陥作用素に関する研究を進めた.具体的には4次元ゲージ理論の超共形指数において面欠陥作用素の挿入が差分作用素で実現される様子を具体的に調べた.ゲージ群が U(N) の場合,面作用素は U(N) の表現(ヤング図)でラベルされるが,完全反対称表現に対して対応する差分作用素は Macdonald 作用素となっている.その意味でこれらの差分作用素は Macdonald 作用素の一般化と期待される. 浜中氏,村中氏との共同研究により2重周期をもつモノポールウォールの低エネルギー散乱の有効シグマ模型作用を計算し,SU(2) モノポールウォールのモジュライ空間上の漸近的ハイパーケーラー計量の具体形を決定した.この計量の漸近的振る舞いはモノポールの2重周期性を反映して T^3 × R となり ALH 型計量と呼ばれている.ALH 型計量は M 理論のカラビ・ヤウコンパクト化として得られる5次元超対称ゲージ理論との関わりで注目される.これまでの文献では,5次元超対称ゲージ理論を2次元トーラス上にコンパクト化した理論の低エネルギー有効作用からハイパーケーラー計量を求めていたが,我々の結果がその方法による計量と一致することを確認するとともに,Dirac 型の特異点をもつより一般の場合についても低エネルギー散乱の有効シグマ模型作用から ALH 型計量を求めた.さらに得られた ALH 型計量の対称性やモジュラー不変性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度からの課題であった面欠陥作用素に関する研究を進めることができたが、最終的に論文をまとめるだけの成果が得られなかったのは残念である。一方、M 理論と関係の深い5次元超対称ゲージ理論の低エネルギー有効作用を決定するハイパーケーラー計量について、モノポールのモジュライ空間の立場から、かなり具体的な研究成果をあげることができた。 連携研究者の森山は、M2 ブレイン多体系の有効理論とみなされる ABJM 模型のインスタントン効果について、精力的に研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
超共形指数を用いた面欠陥作用素に関する研究が、課題として残されているので、この解決を目指す。また新たな方向として、モノポール方程式の高次元化を用いて M5 ブレインの視点から結び目の不変量の研究を探る。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
海外の研究集会への参加を他の財源で賄うことができたため。 海外の研究集会への参加および海外からの研究者の招聘を積極的に推進する。
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Research Products
(5 results)