2016 Fiscal Year Research-status Report
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24540272
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
波場 直之 島根大学, 総合理工学研究科, 教授 (00293803)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ヒッグスポテンシャル / MPP条件 / 真空の安定性 / プランクスケール / strong dynamics / ボソニックシーソー / 標準模型を超える物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒッグス粒子の質量が125GeVであったことは、ヒッグスポテンシャルがプランクスケール付近で消滅することを示唆し、標準模型を超える新しい物理の重要なヒントであると思われる。特に、標準模型の枠組みだと10の10乗付近でヒッグスポテンシャルが不安定になってしまう真空の安定性やナチュラルネス問題に関しての解析は重要である。また、プランクスケールで丁度ヒッグスポテンシャルが消滅し、電弱真空と縮退した真空が現われるmulpiple point principle (MPP) 条件は量子重力理論につながる可能性があるので、ボトムアップ・アプローチで色々な可能性を調査することが重要である。 そこで、本研究では、まず、標準模型にシングレットを導入してプランク・スケールでMPP条件が実現されることを示した。この様な最小限の拡張でMPP条件が実現できることは革新的である。 また、インバース・シーソー機構やタイプ2シーソー機構における真空の安定性や実験での観測可能性について詳しく調査した。 更に、新しいヒッグス粒子がstrong dynamicsによってcomposite stateになり、その結果、ボソニック・シーソー機構により電弱相転移が実現される機構を構築した。 また、10の10乗のエネルギースケールでヒッグスポテンシャルが不安定になることは、このスケールに余剰次元が存在する証拠ではないかと考えて、模型に依らない陽子崩壊の解析をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画以上に新しい研究も完成できたため
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Strategy for Future Research Activity |
MPP条件に関して、left-right symmetric模型について解析をおこない、パリティの自発的破れの実現や現象論的解析をおこない、実験での観測可能性を調査する。また、右巻きスニュートリノが世代構造を持った場合のインフレーションの可能性について調査する。更に、5次元理論を用いた新しいstrong CP問題の解決の可能性について調べる。
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Causes of Carryover |
海外の研究協力者であるダラム大学のセドリック・ワーランド博士、マックスプランク研究所(ミュンヘン)のアレクサンダー・メアー博士との研究打ち合わせが都合により延期になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
海外の研究協力者であるダラム大学のセドリック・ワーランド博士、マックスプランク研究所(ミュンヘン)のアレクサンダー・メアー博士との研究打ち合わせをおこなう。
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Research Products
(14 results)