2013 Fiscal Year Research-status Report
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24540278
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
橋本 正章 九州大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20228422)
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Keywords | 超新星爆発 / 元素合成 / 3α核反応率 |
Research Abstract |
1.太陽の25倍の質量を持つ大質量星について、星の進化の最終段階(重力崩壊寸前)までの進化計算を行い、Presupernovaモデルを構築し、この進化モデルにおいて大規模元素合成を3α核反応率のみ変更して行った。その結果OKK核反応率を用いた場合、20Ne周辺の元素がFynboの場合と比べてかなり過剰に生産された。またs-元素はOKKの場合、過剰生産が減る結果となった。これは大規模元素合成をおこなったため修正しポイズンが増加したためと思われる。星の進化段階ではOKK核反応率は必要な元素を生産しにくい可能性があることが分かった。 2.1.のモデルを用いて爆発的元素合成を遂行した。爆発エネルギーは通常の値を、56Niの量は0.08太陽質量程度を標準とした。その結果、Ne近傍の元素は1.とあまりかわらないが、重元素合成には決定的違いがでた。爆発的元素合成により、進化過程でできたp-元素はほとんどこわされることは同じであることが分かった。一方OKKの場合s-元素の生成が減るため爆発的元素合成によるp-元素合成の効率が著しく減少してしまった。 1と2の結果を総合してOKK核反応率を用いた場合、太陽系組成比との整合性は困難になりそうであると結論できそうである。調べた星は太陽の25倍の場合ではあるが、この星は大質量星のなかで典型的と考えられているので我々の結果は普遍性があるだろう。今後は恒星進化計算における理論の不定性を吟味する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在達成した計算結果は恒星進化+超新星爆発+大規模元素合成の三つの要素を完璧に網羅した結果であるので信頼性が高いと思われる。モデルとして選んだ太陽の25倍の質量の星について調べたことで、代表的な大質量星の元素合成の結果がほぼわかるため極めて重要な結果を提示できた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在計算結果を論文にすべくまとめつつある。今後の課題としては別の質量の星の計算の必要性を検討すること。これにより具体的に3α核反応率に制限をあたえることがかのうである。また元素合成計算に入る核反応率の不定性の影響を明確にしていく必要もある。さらに、進化モデルそのものの検討が残っている。具体的には核燃焼に伴う対流パラメータの影響、物質拡散、爆発モデルの検討が重要である。これらのことを今後しらべていく。
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Research Products
(6 results)