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2016 Fiscal Year Research-status Report

超弦の行列模型からの標準模型の出現に関する研究

Research Project

Project/Area Number 24540279
Research InstitutionSaga University

Principal Investigator

青木 一  佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80325589)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2018-03-31
Keywords超弦理論 / 行列模型 / 標準模型 / 自然さ問題・階層性問題 / 暗黒エネルギー・宇宙項
Outline of Annual Research Achievements

当該研究課題では、超弦理論の非摂動的定式化の候補である行列模型において、標準模型などの素粒子模型がいかに実現されるかについて研究している。弦理論や行列模型から標準模型を説明する上で、輻射補正を含めてヒッグス場の質量や宇宙項の値をいかに観測された小さな値に保つかという、いわゆる階層性問題・自然さ問題が重要になる。この問題はまた、標準模型を超える現象論的模型を探索する上でも重要な鍵を与える。
今年度は主に、昨年度に続き、宇宙初期のインフレーション期に生成された量子ゆらぎの長波長モードが、その後凍結して残り、その真空エネルギーが現在の宇宙項・暗黒エネルギーを与えうるかどうか、スカラー場を用いて調べた。特に、宇宙初期に儀真空(親真空)から真真空(子真空)へのトンネリング遷移が生じた状況を想定し、儀真空で生成された量子揺らぎが今日の真真空に与える影響を研究した。このような儀真空からの真真空の泡生成に関する研究はオープン・インフレーションと呼ばれており、負曲率の開いたフリードマン宇宙を自然に与えるインフレーション機構として注目を集めていた。近年では、超弦理論でのランドスケープと呼ばれる複雑な真空構造ではこのような真空遷移が頻繁に生じると思われるので、その文脈での研究が多くなされており、超弦理論のランドスケープでのポテンシャルの形と、宇宙背景輻射の密度揺らぎの観測データの比較などもされている。これらの研究も参照しつつ当研究を遂行している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

弦理論や行列模型からの標準模型の導出、標準模型を超える現象論的模型の探索、いずれの研究においても、ヒッグス場の質量や宇宙項の値を説明するという、いわゆる自然さ問題が重要になってくる。今年度も昨年度につづき、宇宙項・暗黒エネルギーの問題を曲がった空間での場の理論の枠組みで調べた。ここで得られた知見を行列模型での現象論的研究へより直接的に還元したかったのだが、大学での業務に追われ十分に実施することができなかった。

Strategy for Future Research Activity

今年度に続き、宇宙項・暗黒エネルギーの問題を曲がった空間の場の理論の枠組みで調べていく。
一方、行列模型における現象論的研究を推進する。様々なコンパクト化の状況を考え、現象論的解析を行う。今までの研究から、ヒッグス場の候補の行列への埋め込みはわかってきたが、いわゆる自然さ・階層性問題が問題となり、質量を軽く保つことが困難となった。オービフォールド、トーラスなど比較的よく知られているコンパクト化の状況で、超対称性の条件と照合するなどして、解決の糸口を探りたい。

Causes of Carryover

28年度は大学での専攻長の用務が多忙で十分に研究に時間をさけなかったため、29年度に期間延長を申請し承認された。

Expenditure Plan for Carryover Budget

29年度は、旅費や物品購入などにより予定額を使用したいと思う。

URL: 

Published: 2018-01-16  

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