2014 Fiscal Year Annual Research Report
ゲージ・ヒッグス統一模型におけるフレーバー物理の研究
Project/Area Number |
24540283
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
丸 信人 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (40448163)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 標準模型を超える物理 / 高次元模型 / フレーバー物理 / コライダー物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画であるレプトンセクターにおけるフレーバー混合について、ゲージ・ヒッグス統一模型の枠組みで研究を行った。具体的には、ミュー粒子が3つの電子あるいは原子核中で電子に転換する2つの古典レベルでの過程を考察し、実験データからコンパクト化スケールの下限値を求めた。研究成果は論文にまとめアーカイブに投稿した。得られた制限が緩いため、量子効果を通じて生成されるミュー粒子が電子と光子転換する過程を研究する計画であったが間に合わなかった。研究結果自身はインパクトのあるものでなかったが、世界で初めての解析であることの意義は大きい。 ゲージ・ヒッグス統一模型における湯川結合は、標準模型のそれから大きくずれる可能性があり、LHCコライダー実験で検証できるか調べた。現在のデータが示唆する標準模型的なものと無矛盾であることがわかった。研究成果は論文にまとめ学術雑誌に投稿中である。先行研究より現実的な設定で解析した結果であることに重要性がある。 研究期間全体を通じて、LHCでヒッグス粒子が発見されたためヒッグス粒子に関するコライダー物理の研究を緊急に行い、3本の論文を出版、国際会議、国内学会、セミナー等で幅広く研究成果を発表することができた。ゲージ・ヒッグス統一模型に特徴的な予言ができたので、これからの実験結果を待ちたい。本来の研究計画であるフレーバー物理の研究は遅れ気味であったが、先に述べたレプトンセクターのフレーバー物理の研究を開始できた。 ゲージ・ヒッグス統一模型は弦理論の低エネルギー有効理論であり、研究期間を通じて得られた研究成果は、弦理論をベースにした現象論研究に欠かせないものとなる。実際、研究会などで弦理論の研究者が我々のゲージ・ヒッグス統一模型研究に非常に高い関心を示しており、今後の展開が楽しみである。
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Research Products
(6 results)