2014 Fiscal Year Research-status Report
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24540284
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
初田 真知子 順天堂大学, 医学部, 教授 (10364887)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 和廣 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70263671)
清 裕一郎 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60571338)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 超弦理論 / T-デュアリティ / 有効重力理論 / ダブルフィールド理論 / ヒッチンの一般化幾何 / 超対称性 / 超空間 / 「国際研究者交流」アメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
最優先課題であったT-デュアリティが明白な空間の超対称化に関して、超空間の方法を用いて超重力理論を記述することができ順調に進んでいる。ヒッチンの一般化幾何を規定しているクーラン括弧、自由度を倍にするダブルフィールドの方法ではT-デュアリティ共変なリー括弧またはC括弧の超対称性化を超空間という方法で行った。結果は"Superspace with manifest T-duality from type II superstring"という論文にまとめ、Journal of High Energy Physics 1406(2014)039で発表した。弦が持つ運動量と巻付数を混ぜるT-デュアリティを超対称化すると、N=2の超対称を持つ超弦理論の非縮退性を課した代数となる。さらにその超空間がユニタリーなダイナミクスを記述するためには、カッパ対称性という局所超対称性が必要となり、カッパ対称共変なビラソロ条件を課さなければならない。すると超空間の重力理論の場の方程式の解析において、トージョンへの条件が簡単となり、さらにプリポテンシャルも四脚場(フィアバイン)に含まれていることも分かった。
Dブレンを支えるRamond-Ramond場を記述するための新しい自由度を導入して、T-デュアリティが明白である重力理論にDブレンを含めるようにした。これは、"Ramond-Ramond gauge fields in superspace with manifest T-duality"という論文にまとめJournal of High Energy Physics 1502(2015)134で発表した。このことは、2型超重力理論が含むすべての場をすべての対称性の正しい表現で記述でき、T-ディアリティが明白な重力理論のリーマン曲率テンソルを得たということである。具体的には、通常の時空の自由度に帰着させる手続きが必要で、現在論文執筆中の課題である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最優先課題であったT-デュアリティが明白な空間の超対称化の構築に関しては、超空間の方法を用いて構築することができ順調に進んでいる。ヒッチンの一般化幾何を規定しているクーラン括弧の超対称性化をダブルフィールドの超空間という方法で行い、"Superspace with manifest T-duality from type II superstring"という論文にまとめ、Journal of High Energy Physics 1406(2014)039で発表した。また、Dブレンを支えるRamond-Ramond場を記述するための新しい自由度を導入して、T-デュアリティが明白である重力理論にDブレンを含めるようにした。これは、"Ramond-Ramond gauge fields in superspace with manifest T-duality"という論文にまとめJournal of High Energy Physics 1502(2015)134で発表した。 AdS/CFT対応への応用に関しては、まだ論文にまとまっていないが、AdS時空の代数をTデュアリティから構築するという方法で解析を行った。AdSという曲がった重力理論側でもディラテーションの演算子が重要な役割を担っていることが示せた。今後はこれをCFT理論における対応を解析していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後取り組む研究課題は以下の通りである: (1)T双対性を明白に持つ超空間をリーマン幾何の一般化として定式化。(2)T双対性が明白な超弦、D膜、新奇な膜の作用の構築。T-デュアリティ変換で得られる新奇なブレンの記述は、まだよくわかっていない。それらに対して、この大きな超空間の新しい切断面を見出すことで記述できるのではないかと期待される。(3)最小距離が及ぼす重力理論への影響の解明。(4)T双対性と可積分性の関係をAdS/CFTにより解析。可積分性とT-デュアリティはその記述方法に類似点が多く、今後その関係を解明していく予定である。 研究の推進方策は、日本の共同研究者と議論を重ね、夏期にアメリカの会議に参加してアメリカの共同研究者とも直接議論できるようにする。また、新しい情報を積極的に収集する。
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Causes of Carryover |
数値計算やWEBによる研究成果公表などが充分進んでいない事に加え、また学内事情により参加見送りとした国際会議の出張旅費と学内ネットワーク環境の変更に伴い購入を見送ったコンピュータ関係の設備投資が未使用となったため、補助事業期間を延長することとなった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
数値計算やWEBによる研究成果公表などを実施し、国際会議にも出席し、学内ネットワーク環境の変更に伴い購入を見送ったコンピュータ関係の設備投資を行う。
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