2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540286
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
辻川 信二 東京理科大学, 理学部, 准教授 (30318802)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 暗黒エネルギー / 宇宙の加速膨張 / インフレーション / スカラーテンソル理論 / 宇宙背景輻射 / 宇宙論的摂動 / スカラー場 / ヴァインシュタイン機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
2014年度は,修正重力理論の暗黒エネルギーへの応用の観点から,一般相対論を拡張する形で,スカラー自由度が存在する場合の有効場の理論の構築を行った.これは,Horndeski理論やHorava-Lifshitz理論などのほとんどの重力理論を内包する汎用性の高いものである.我々は,物質場が存在する場合に,Horndeski理論の枠組みを超えた理論では,スカラー場の音速が物質場の存在によって修正を受けることを明らかにした.さらに,具体的な暗黒エネルギー模型に対して一般的な結果を適用し,どのような模型の場合に不安定性やゴーストを回避することができるかを示した. これらの研究に加えて,有効場の理論に基づいた場合のインフレーション中に生成される原始重力波のスペクトル,球対称時空での有効場の理論の構築などの研究も行った.これらは,観測的に修正重力理論の兆候を探る上で重要な意味を持つ.さらに,Horndeski理論を拡張したGleyzes-Langlois-Piazza-Vernizzi理論において,disformal変換と呼ばれる計量の変換で,曲率揺らぎおよび重力波が不変に保たれることを,スカラー自由度が一つ存在する場合に示した.これに加えて,インフレーション中に生成される重力波のスペクトルが,インフレーション中の宇宙の膨張率と直接関係するアインシュタイン系が存在することを示した.この成果は,将来の原始重力波の探査の上で極めて重要な意味をもつ.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Horndeski理論その他を含む非常に一般的な形で,一様等方宇宙および球対称性時空における有効場の理論の構築を行うことができたため.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度では,修正重力理論の一般的な定式化に成功したため,今後は具体的な暗黒エネルギー模型を絞り込み,最新の観測データからそれらの有効性を調べていく.
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Causes of Carryover |
購入予定の新しいコンピュータが,本年度は不要であったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度において,7月のMG国際会議,9月以降のヨーロッパ出張などで使用する予定.
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Research Products
(15 results)