2012 Fiscal Year Research-status Report
厳密少数粒子系計算法の確立とチャームハイパー核への応用
Project/Area Number |
24540294
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
肥山 詠美子 独立行政法人理化学研究所, 肥山ストレンジネス核物理研究室, 准主任研究員 (10311359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 真 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (60144606)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 核物理 / ハドロン |
Research Abstract |
本研究目的は、「無限小変位ガウスローブ法」という新しい形の基底関数を用いる独創的な少数粒子系計算法を、チャームクオークを含むバリオンであるΛc,Σcを原子核に束縛させてできるチャームハイパー核の構造を研究することである。この研究のために、必要不可欠なことをΛc-核子間の相互作用の構築である。 この構築について、中間子交換力をさらに精密化することによって、Λc-核子間の特に短距離間力の構築を行った。これまで、Λc-核子間の短距離間力の相互作用に不定性が大きかったため、Λc-Nの2体がかなり深く束縛する結果を得られた。今回は、核子―核子間相互作用に使用されるcut offの値を使用することにより、これまでの2体の束縛状態よりも浅い束縛エネルギーが得られた。この相互作用の更なる精密化については平成25年度にも続ける。特に、Σc*の状態を取り組むことが重要であることが分かっているので、平成25年度はΣc*N相互作用の精密化に特に重点をあてたい。 また、同時にこの相互作用を用いたNNNΛc+NNNΣc+NNNΣc*のコード作成に取り掛かった。現在のところ、NNNΛc+NNNΣcの結合4体計算のコード作成が完了し、平成24年度に構築したΛc-Nの相互作用をコードに取り込くんでいる最中である。この相互作用をコードに取り組み次第、NNNΛc+NNNΣc+NNNΣc*の構造計算を行い、結合の重要性を検討する。 また、平成25年度にはこのコードにNNNΣc*をさらに結合させた4体計算コードを完成させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度は、Λc-N相互作用の詳細の研究は最重要である。 研究分担者である岡氏と特に、Λc-Nの短距離力について、中間子交換力を用いた理論で綿密に議論を行い、cut off massの依存性について、どの値をとるべきかに焦点を当てた。 結果、NNに使うべき値をとるべきであると結論付け、まず、ΛcN-ΣcN-Σc*Nの結合2体計算を行い、これまで計算した結果よりも浅い束縛エネルギーを与えることが分かった。まずは、この結果を論文にするべく執筆中である。さらには、原子核中にΛcを付加した場合の構造研究を行うべく、NNNΛc+NNNΣcの結合エネルギーを 計算するためのコードがほぼ完了した。まずは、上記の2体問題の論文を作成してから4体の構造を研究を行うことにしており、順調に成果を挙げており、従来の研究目的は十分に遂げていると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、NNNΛc+NNNΣcのコードは完了しているので、まずは、このコードに中間子交換力理論で構築されたΛc-N相互作用を入れて束縛エネルギーを計算し、ΛcN-ΣcN結合の重要性について考察、さらには、Σc*Nの結合を取り入れた多体計算を行い、結合ポテンシャルの重要性についても議論を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(20 results)