2014 Fiscal Year Research-status Report
厳密少数粒子系計算法の確立とチャームハイパー核への応用
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24540294
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
肥山 詠美子 独立行政法人理化学研究所, 仁科加速器研究センター, 准主任研究員 (10311359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 真 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (60144606)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 核物理 / ハドロン |
Outline of Annual Research Achievements |
チャームバリオンー核子相互作用の構築は、ほぼ終了し、平成26年度10月の日本―アメリカ合同物理学会において、東工大の博士課程1年の前田沙織さんが準備的段階であるが成果発表を行った。現在、この成果を査読付き論文として発表予定である。同時に、チャームクオークの含むバリオン3体問題(udcなど)の3体構造計算を行い、バリオン系のエネルギー準位を予言した。この成果については、東工大の博士課程1年の吉田哲也くんが同様に日本―アメリカ合同物理学会において成果発表を行い、まもなく論文をPhysical Review Dに投稿予定である。これらの2件の研究は、今後、J-PARCやアメリカのジェファーソン研究所における研究計画に大きく貢献する重要な課題となる。今後は、チャームバリオンー核子間相互作用として、Λc-N-Σc-N結合を陽に取り入れた3体、4体精密計算を行い、そのエネルギー準位の予言、実験のガイドを計画している。そのためのコードは準備的段階ではあるかすでに完了しており、最終計算の段階にきている。この計算を5月の最初までには終了し、その成果発表を、5月18日からシカゴにおいて開催予定の少数多体系物理に関する国際会議において、招待成果講演を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトとして、Λcを含む原子核に3体構造計算、および、チャームクオークを含むバリオンのスペクトラムを求めることに成功し、そのことを2014年10月のアメリカー日本ジョイント物理学会において2名の博士課程の学生が成果発表を行い、いろいろな観点で議論が行われた。このことをもとに論文を執筆し、投稿まで今一歩というところまで達しているということから。
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Strategy for Future Research Activity |
これらの成果を5月に行われる月18日からシカゴにおいて開催予定の少数多体系物理に関する国際会議において、招待成果講演として一部を講演する。 さらには、2編の論文を執筆中であるが、これについても近日中に投稿を行う予定である。 さらに、研究の発展として、Λc-N-Σc-N結合を陽に取り入れた3体、4体精密計算を行い、Λc-N相互作用の詳細を決定する予定である。さらには、J-PARCへの実験の可能性の提言を行う。
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Causes of Carryover |
チャームクオークを含むバリオン3体計算、およびチャームー核子間相互作用を用いたチャーム原子核の3体計算における論文執筆を学生の指導とともに行っていたが、学生の論文執筆は大幅に遅れてしまった。そのために、成果発表を行う時期を平成26年度を逃してしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の5月にシカゴで少数多体系に関する国際会議での成果発表を行う機会が訪れたため、余った予算をこの会議費用に充てることとした。
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Research Products
(20 results)