2014 Fiscal Year Annual Research Report
地下深部花崗岩中のミューオン生成核種を用いた過去1千万年の宇宙線変動の探索
Project/Area Number |
24540297
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
櫻井 敬久 山形大学, 理学部, 教授 (60150265)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 一穂 弘前大学, 理工学研究科, 助教 (00344614)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 宇宙線生成核種 / Be-10 / Al-26 / ミューオン / 高エネルギー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、過去1千万年の宇宙線強度変動を探索するために高エネルギー宇宙線ミューオンが地下深部の岩石中に生成する宇宙線生成核種Be-10, Al-26 を加速器質量分析法(AMS)により検出することを目的としている。CERNにおいて160GeVのミューオンを照射した土岐花崗岩試料から抽出した石英のAMS分析測定結果について解析を行いまとめた。 1.Ni板に生成された生成核種濃度分布解析から照射ミューオンビームは12 cmx17 cmの楕円形であることが分かった。これより直径6 cmの円筒花崗岩への照射ミューオン数分布の詳細を明らかにした。 2.ミューオン入射面の花崗岩(0-5cm)におけるBe-10およびAl-26の生成断面積は、各々10 ±0.6 μb, 139 ±18 μbであった。この結果は先行研究である照射ターゲットの全面にコンクリートを置いたHeisinger et al.の結果の約10分の1であった。しかし、Al-26のBe-10に対する断面積の比は、Heisingerおよびシミュレーションの結果と同様な値を示していた。 3.1m花崗岩中のBe-10およびAl-26の生成率は、花崗岩の全面から約30 cmの間で急激に増加しその後一定になることが分かった。その増加度は各々2.4倍と3.6倍であった。一方、花崗岩の間に挟んだ石英板における生成率は、その前後の花崗岩中の生成率と同様であった。これらの結果より高エネルギーミューオンによる核種の生成は2次的生成粒子の影響を受け且つ特性的物質量により平衡状態に達すると考えられる。 4.1サンプルについて調べた土岐花崗岩のBe-10は4.1x103 atoms/g石英であった。
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