2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24540304
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
舟橋 春彦 京都大学, 高等教育研究開発推進機構, 教授 (00283581)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | 中性子 / 冷中性子 / 干渉計 / 基礎物理 |
Research Abstract |
この申請の目的は、完全に2経路が分離されたジャマン型干渉計開発の成功に基づき、これを発展させた多層膜冷中性子干渉計の開発によって微弱な相互作用の検出感度に優れた新しい実験手法を確立し、基礎科学に超低エネルギー物理の新しい分野を拓くことである。長波長中性子(冷中性子)に適用できる大型の干渉計の開発・応用によって微弱な相互作用検出の高感度化を図る多層膜冷中性子干渉計の開発と応用は世界に類のない日本発の独創的な研究である。本申請ではこれまでの成果を踏まえ、<分離した経路の一方にのみ相互作用させる装置を挿入する>、<分離した経路に囲まれた面積に比例する相互作用を検知する>、<分離した経路に囲まれながら中性子に曝されることのない装置を挿入する>など,長波長中性子による干渉実験の可能性を拓く。 一般にギャップを拡大するにつれ、アラインメントに対する精度要求が厳しくなる。アクティブ防振台の導入は成功のひとつの本質的に重要な鍵であった。振動・温度・磁場等の環境要因の、中性子計数との同時測定を導入し、環境要因を変化を記録しながら干渉縞のコントラストへの影響を精査する計画であったが、東海村の研究炉JRR-3の震災後の利用再開に至らずビーム利用を要する研究は進められなかった。大強度陽子加速器施設J-PARC のパルス中性子源等での中性子基礎物理について研究会等で検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
震災後、研究炉JRR-3の稼働再開に至らずビーム利用を要する研究が進められていない。
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Strategy for Future Research Activity |
ビーム利用が可能になると見込まれる。環境要因のそれぞれの影響を見定めながら順次遮蔽等対策の効果を確認していく。<分離した経路の一方にのみ相互作用させる装置を挿入する>実験の実証として、散乱長と厚みのよく理解できた位相物体による位相差の検出をデモンストレーションを目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ビーム利用が果たせずそのために見込んだ旅費の支出はなかった。またビーム利用の進捗に即して製作を検討していた物品の発注は見送られた。次年度のビーム利用再開に向けた準備を用意していく。
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