2012 Fiscal Year Research-status Report
炭素不安定核ビームと陽子の散乱による核内陽子・中性子密度分布の分離測定
Project/Area Number |
24540306
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂口 治隆 大阪大学, 核物理研究センター, その他協同研究員 (30025465)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 不安定核 / 中間エネルギー陽子弾性散乱 / 16C / 9C / 三体力 / 固体水素標的 |
Research Abstract |
本年度は理化学研究所で継続的に不安定核と陽子の弾性散乱の測定を行うためのビームコース作りを行った。当初、我々が提案していた場所から変更して理研側の勧める場所(SAMURAI Spectrometerの上流の焦点面)に設置することにした。実験装置全体を1.5m x2.3m のパレット2台に設置して、クレーンで吊って移動できるようにした。H25年1月に予定されていた炭素16用のビームタイムに向けて陽子弾性散乱用の測定装置をパレットの上に全て精度良く設置し、散乱用の標的として1mm厚で直径30mmの固体水素標的を準備して待機したが、理研の加速器側の都合で実験はH25年4月に延期になった。4月からの実験に向けて3月初めより再度測定へ向けての準備を再開した。装置の面では理研にビームコースを確保し、設置することができたのが今年度の成果である。次年度は製作したパレットを載せてレールの上を移動する台車を作ることが課題である。 ビームコース作りと並行してこれまでに測定した不安定核と陽子の散乱結果を整理しまとめた。放医研の重イオンシンクロトロンで測定した炭素9と陽子の弾性散乱測定結果をまとめて炭素9の物質密度分布を抽出することに成功した。結果は Physical Review C のH25年3月号に掲載された。また大阪大学核物理研究センターで測定した炭素12からカルシウム40に至る陽子弾性散乱の結果を媒質効果入りの相対論的インパルス近似で解析した結果、標的が軽くなるにつれて3体力の効果が系統的に顕在化してくる事実を見出しH25年3月の物理学会で発表した。現在この成果を論文として投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
不安定核と陽子弾性散乱測定装置の設置場所を確定でき、固体水素標的も順調に製作できることが確認でき、測定器のノイズ落とし、回路系の調整も測定するばかりまで進んだので順調に進行していると言える。(この報告書をまとめている時点では4月の炭素16と陽子の弾性散乱実験も成功裏に終えたことが分かっているので)
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Strategy for Future Research Activity |
今年度製作したパレットをレール上を移動する台車に載せることが次年度以降の課題である。そのほかH25年4月に測定する炭素16の300MeV/Aでの弾性散乱測定に引き続き200MeV/Aでの測定を実施して陽子分布と中性子分布の分離に進まなくてはいけない。そのためには4月に測定した結果を早急にまとめて公表し、秋のPACに実験の申請を出す予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
H25年4月に実施する実験の結果を早急に公表するために夏季に実験参加者で合宿しデータをまとめる予定である。 またかねてより懸案であるビームラインドリフトチェンバーの高速化の準備をする。
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Research Products
(4 results)