2014 Fiscal Year Annual Research Report
トポロジカル絶縁体の不純物及び電子相関効果の理論的研究
Project/Area Number |
24540338
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
古崎 昭 独立行政法人理化学研究所, 古崎物性理論研究室, 主任研究員 (10238678)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | トポロジカル絶縁体 / ディラック半金属 / アンダーソン局在 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.摂動に対して安定なバンド縮退点をもつ3次元半金属であるワイル半金属では、バンド縮退点(ワイル点)の安定性は、ワイル点がチャーン数のトポロジカル荷をもっていることによっている。その一般化として、時間反転対称性及び鏡映対称性または反転対称性の条件のもとで、二値(Z2)のトポロジカル荷をもつワイル点あるいはディラック点の存在可能性をクリフォード代数を用いて解析し、具体的な模型を構成した。特に、スピン軌道相互作用が弱く、時間反転と空間反転で対称なディラック半金属は、Z2トポロジカル荷で特徴づけられることを示した。 2.対称性によって守られたトポロジカル相の例として、Z3*Z3対称性のもとで安定なトポロジカル相を実現する1次元SU(3)スピン模型を構成した。その基底状態は行列積波動関数として書くことができ、SU(2)スピンのAKLT波動関数の拡張になっている。この模型はSU(3)の8表現のスピン演算子のbilinear-biquadraticハミルトニアンになっており、結合定数の比を変えるとトポロジカル相からダイマー相への連続転移が起こることを、iDMRG法を用いた数値計算により示した。 3.トポロジカル絶縁体に対する不純物効果をアンダーソン局在の観点から研究した。一般の対称性クラスと空間次元に対して、トポロジカル絶縁体もしくはトポロジカル超伝導体となるディラック・ハミルトニアンにおいてディラック質量項がランダムになったときのアンダーソン局在の一般的な相構造を明らかにした。 4.磁場中のトポロジカル絶縁体薄膜における整数量子ホール状態の最近の実験を念頭に、トポロジカル絶縁体側面の伝導チャンネルによる電荷およびスピン輸送特性を、ランダウ準位占有率が0の量子ホール状態に対して計算した。
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Research Products
(8 results)