2014 Fiscal Year Annual Research Report
不均一ボース・アインシュタイン凝縮系における超流動・超固体の安定性と密度ゆらぎ
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24540361
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 雄介 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (20261547)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 超流動 / 量子渦 / ボース・アインシュタイン凝縮 / 臨界速度 / 分岐理論 / エネルギーランドスケープ / スワローテール / 擬弧長法 |
Outline of Annual Research Achievements |
粘性がなく、エネルギー散逸(熱の発生)を伴わない流れのことを超流動という。超流動現象は1938年液体ヘリウム4で発見され、1995年に生成された冷却原子系でも見出されている。その超流動状態がどのように壊れて行くのかを理論的に明らかにするのが本課題の目的である。今年度は前年度に引き続き、障害物がある場合の超流動流をトーラス状の系について研究した。この研究は近年、トーラス形状の冷却原子系での超流動崩壊現象やそれに関連する履歴現象、準安定状態の実験的研究が盛んに行われていることを念頭においたものである。われわれが数値的手法によって明らかにしたのは、準安定状態と不安定状態のつながり方(連結性)を示すエネルギーダイアグラムである。一般に多自由度系の準安定性や不安定化を一次転移近傍でのダイナミクスを理解する際に、少数のコントロールパラメターの関数として安定相、準安定相、不安定相のエネルギーとその連結性の情報を含んだエネルギーダイアグラムは、多自由度の微視的性質を縮約した情報として、注目するマクロダイナミクスを理解するうえで手がかりとなる。今年度は、エネルギーダイヤグラムがこれまで予想されていたswallow-tail 型(ダイヤグラムに現われる曲線がツバメの尾を連想させることからそのように呼ばれている)ではなく、多重swallow-tail (multiple swallow tail)とも呼ぶべき、より豊かな構造をもつことを明らかにした。
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Research Products
(9 results)